車のドレスアップ~どんな種類がある?自分の好みを見つけよう!~
皆さんは、車が好きですか?
いわゆる「車好き」といわれる人々のほとんどは、それぞれ車にこだわりを持っています。
そこで自分の車をより自分の好みに、個性的にするため「ドレスアップ」をすることが多いですよね。
少し例を挙げると、ホイールを変える、車高を下げる、エアロを付ける、という具合で
主に「見た目」を変えることをドレスアップといいます。
お金はかかりますが、自分の好みになっていく愛車を見る楽しみ、達成感はかえがたいものです。
より愛着が湧き、ドライブに行きたくなる、行った先で写真を撮りたくなる、駐車場に停まっている愛車を見てにやにやしてしまうことでしょう。
純正から少し車高の下がったSC
純正が一番いいという意見もわかりますが、ここでは置いておきます。
またドレスアップといっても、やりすぎると違法改造にあたるものもあるので、走るならば法律を遵守し、車検対応の範囲内であることを確認してから行いましょう。
これから、今日本に見られるドレスアップの種類を順に紹介、解説していきます。
個人的な解釈もあると思いますがご了承ください。
それでは自分の好きなドレスアップの方向性を考えてみましょう。
日本車を、スポーツ仕様にカスタムしてある車を“JDM”といいます。
JDMはJapan Domestic Marketの略で、日本国内市場と直訳されますが、外国から見た“日本風”とか“日本流”と考えれば雰囲気が伝わるでしょう。
細かく見るといろいろ定義がありますが、今日本国内でJDMというと『スポーツ仕様にカスタムしてある車』の意味で使われることがほとんどです。
JDMはわかりやすく言えば「走り屋仕様」といえ、モータースポーツをする上で、車の性能を引き出すためのカスタムを由来とします。
サーキット、ドリフトなど競技によって見た目も若干変わってきます。
人によって解釈は異なると思いますが、あくまでドレスアップの観点から大まかな基準を書いていきます。
◇ サーキット仕様
車種はRX-7、GTRなどいわゆるスポーツカー全般。
外装では、
・少し下部が前に突き出し、口が大きく開いているフロントバンパー(またはリップスポイラー)
・空気抵抗を減らすフルエアロ
(フロント、リア、サイドのエアロをまとめてフルエアロといいます)
・ボンネット等のパーツをカーボン製のものに付け変え。
・ボンネットに放熱や空気を取り入れるためのダクトが付いている。
・車両後部にウイングやスポイラーと呼ばれる羽のようなものがある。
等の、特徴があります。
ボディは、
・部品メーカーのステッカー装着
・かっこいいカラーリング
・ホイールは比較的シンプルなデザインで軽いアルミ製
・タイヤはグリップ性能の高いもの
・車高は重心を下げるため、車高調といわれるもので少し下げる
・マフラーは、排気効率のよいものに交換
内装では、
・メーターの追加
・バケットシート導入
・ハンドルの交換
などが、行われます。
◇ ドリフト仕様
車種はシルビア、チェイサーなどのFRスポーツカーが多い。
サーキット仕様を基本に、
・より派手に張り出したエアロ
・大径ホイール
・派手なカラーリング
・派手なバイナルグラフィック(ステッカーのようなもの)
という特徴があります。
またJDMと似たもので“スポコン”と、いわれるものもあります。
これは後述する“USDM”とも関係があるカスタムです。
スポコンは、わかりやすく言うと「映画:ワイルドスピード」の1や、2で出てくるような車です。
アメリカから始まりで流行ったJDMといえそうです。
特徴としては、
・派手なカラーリング(バイナルグラフィックス)
・エアロ(もちろんフルエアロで!)
・ディープリムホイール
・車体の下に、ネオン管やLEDなどを設置し光らせている車台もアリ
・車内にもLEDなどを設置したりする車台もアリ
・追加のスピーカー、ウーハーを装着
・ガルウイングといわれる、ドアを上に開くようにするカスタム
・スプリットボンネットという横に開くボンネットのカスタム
などの、特徴が見られます。
JDMの一例。バイナルがあるので少しスポコン要素があるといえますね
文字は“JDM”と似ていますが、中身は全然違います。
USDMは、United States Domestic Marketの略で、直訳だとアメリカ国内市場になります。
日本でのUSDMは、車を北米仕様に変えるというもので、そこから発展して北米で走っていそうな車という広い意味に変わっていきました。
車種はシビック、180SXなどが多い印象です。
ドレスアップとしては、
・バンパーを北米仕様に変更、もしくは黒くする
(かつて北米ではバンパー未塗装で黒いものが多かったため)
・サイドマーカーを付ける
・ウインカーポジション化
・ノーズブラ(高速走行時虫や飛び石を防ぐもの)を付ける
・ボディを北米純正色や、派手な色に塗り替える
・USナンバー用のナンバーフレームを付ける
などの特徴があります。
ホイールは、
・メッシュホイールが多い
・スピナーホイールという、止まっていても回って見えるホイール
・逆に、走行中も止まって見えるフローターホイール
などもあります。
USDMの一例。カラーリングはUSDMといえそうです
車高をかなり下げて、キャンバー角をネガティブにしている車も見られますが、イベント等で展示する時のみにし、公道は車検対応で走るなど注意が必要です。
ハの字:キャンバー角がネガティブになった車
USDMではピックアップトラックやクロカン車やSUVも見られます。
これらは悪路の走破性を上げるため車高を高めに設定したり、グリルガードを付けたり、追加でライトを付けたりしているものが多いです。
USDMから派生し、“ヘラフラッシュ”という分類もあります。
これは上記のキャンバー角を付けた車と関係するもので、日本でいう“VIPカー”(後述)に近い物です。
ヘラフラッシュとはアメリカの俗語で、訳すと「凄いツライチ」というような意味になります。
「引っ張りタイヤ」をつけ、キャンバー角を付けて斜めになったリムの上側とフェンダーの端を「ツライチ」にするものです。
多くは太いホイールで、車高もかなり下げられています。
ツライチとは、タイヤやホイールの「面」と、「フェンダーの端が、一致」すること、「面一」で「ツライチ」です。
ツライチの例
フェンダー(上の丸)と
ホイール面(下の丸)
が一直線上になっています
また引っ張りタイヤとは、ホイールの太さに対し、それよりも小さめのタイヤを付けることで、リムが強調されかっこよく見えます。
フェンダーと、干渉しにくくなるメリットもあります。
例を挙げると、9Jのホイールには235のタイヤを履かせるのが一般的ですが、215のタイヤを履かせる、など。
扁平率が変わったり、グリップしにくくなったり、タイヤ本来の性能を損ねたりするので、やりすぎには気を付けましょう。
引っ張りタイヤの例
上の画像は、引っ張りタイヤの例です。
タイヤのサイドウォールが、斜めになります。
この程度ならば、デメリットは少ないです。
極端に引っ張ると、リムがむき出しになります。
その“ヘラフラッシュ”から派生し、“スタンス系”というのが最近流行っています。
“JDM”と“USDM”、“ユーロ系”(ヨーロッパ仕様に近づけるもの、特に定義はありません)を混ぜたようなイメージです。
US寄りであった本来の意味と変わって、最近では「足回りがかっこよく決まっている」車を、広く“スタンス系”と呼びます。
Stance:Nation(スタンスネイション)というサイトがもとで、今は世界で流行っています。
「ツライチ」や「低い車高」が重要とされ、いろいろなジャンルのものが見られます。
傾向としては、
・車高をエアサスなどで下げる
・奇抜なデザインのホイールを履いている
・リアバンパーを取り外して、ウイングを付けるなど大胆なカスタム
・ボディを純正のものから、ワイドボディ化
・好きな色に全塗装
等々、カスタム方法は様々です。
もともとお金持ちの人が、高級車をカスタムしたのが始まりとされます。
しかし現在は、ワゴン車や軽自動車などにも見られます。
ぱっと見はいかつく、怖いイメージがあります。
車種はセダンではクラウン、シーマ、ベンツなどです。
ワゴンではヴェルファイア、オデッセイなどです。
傾向としては、
・ボディカラーは白や黒が多い
・紫や緑などの奇抜な色も散発する
・ところどころクロームメッキのパーツを使いアクセントをつける
・派手なエアロを付ける
・大径のディッシュタイプのホイールを付けている
・車高はとても低い
・キャンバー角を付けて、「ハの字」になっているものもあり
・マフラーの出口が大きく、音量の大きいものに交換される
・ヘッドライト、テールライトはイカリングやスモーク加工する
・もしくは、ヘッドライト、テールライトをLED化する
・内装は、レザー、シートカバーなど高級感のあるものに変更
・追加モニターやウーハーを装着
・ダッシュボードマットを装着
・窓に濃いスモークが張ってある
・ナンバーを字光式に変更
・登録番号を希望ナンバーで「8888」や「・・・1」など、好みの数字に変更
などがあります。
また、最近では“純VIP”という純正を生かして車高を下げるスタイルが流行っています。
やりすぎた?VIPカーの例
VIPカーの場合、とても低い車高とハの字タイヤが特徴的な場合が多いです。
しかし極端すぎる場合は、公道を走行すると違法なので注意しましょう。
主に、“古いアメリカンマッスルカー”をカスタムして、カッコよくするものです。
アメリカで古い車を、かっこよく乗りたいというところから始まり、現在は日本でも見られます。
車種は、シボレー インパラ、キャデラック セビルなどが有名です。
ローライダーは、何といっても「ハイドロ(油圧)サスペンション」によって、車高を上げたり下げたりできるのが特徴です。
そのハイドロを使い、ホッピングといって何と車を跳ねさせることもできるのです。
傾向としては、
・ハイドロサスペンション装着
・ボディカラーは、飴のように見えるキャンディペイントが多い
・複雑なストライプや、ミューラルというペイントが施してあることもあり
・ホイールは小径で、クロームのワイヤーホイールが多い
・タイヤの側面は、ホワイトリボンといって白く塗られている
などです。
また、ジャンルの一つとして“ドンク”というものもあります。
これは車に、とても大きなホイールを履かせるというものです。
「暴走族」が乗っているような車を“族車”といいます。
その多くは、不正改造車なのでやってはいけません。
定番な族車として、
・ナンバーを外して走行
・車の屋根を切って「オープンカー」にする
・竹やり状のマフラーを装着
・極端なボディを拡大
・フロントやリア部を過剰な装備品で架装
・マフラーの消音する部分を取外し直管に変更し爆音を響かせる…
等々の傾向が見られます。
寂しがり屋なので、集団で元旦の朝に富士山を目指して走ったりします。
ほとんどの場合、改造方法及び走行方法は違法なのでやめましょう。
族車とは少し違いますが、“バニング” (Vanning)という、ジャンルもあります。
ハイエースなどのバンに、巨大で派手なエアロや、角のようなパーツを付けるカスタム方法です。
荷室部分や、後部座席を応接室のような装飾にするので、キャンピングカーとも違います。
しかし、2001年の道路運送車両法改正で、特殊車両(8ナンバー)への構造変更基準が変更されてからは、その変更基準がとても厳しいので、車検に通りにくくなりました。
従って、ハデなバニング車も新規の場合は、違法改造車になる可能性が高いのでやめましょう。
皆さんの“好みのドレスアップ”は見つかりましたか?
5番、6番はあまり参考にならないですね(笑)。
正確な定義があるわけではありませんが、ドレスアップは細かく分類されます。
ここで紹介したものよりももっと多く、パーツも膨大にあり、とても奥が深いものです。
気になったジャンルを検索して画像を見るだけでも面白く、参考になります。
あなたの車も、ホイールを変えるだけでも印象がかなり変わります。
車高も、数センチ下げるだけでも引き締まって見えます。
ドレスアップに正解はありません!
「自分の好み」に、車を近づけていきましょう!
「ドレスアップ」は楽しいものです。
一方で、
・車検対応なのか?
・タイヤがフェンダーからはみ出していないか?
・車高は最低地上高(9cm)以上あるか?
・マフラーの音は、基準値以下か?
・他人に迷惑をかけないカスタムか?
… 等々と、いうようによく考えて「不正改造車」にならないことが必須です。
そして、お金を使いすぎてしまうことには気を付けましょう!
このコラムが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
(執筆:広島大学自動車部)
パーツやメタル資源として再利用し国内外に販売!
車解体の資格を持つ廃車.comの工場と直取引だから高く買取れる。
すでに払った31,600円の自動車税も返ってくる。
(4月に廃車/1,600cc普通自動車)