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ラリーのルール

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ラリーのルール

こんにちは!北海道大学自動車部です!
今回はラリーのルールと簡単な実際に出場して感じた注意点についてコラムを投稿させて頂きます。

霧深い場所で待機する、ラリー出場車たち

霧深い場所で待機する、ラリー出場車たち

I.ラリーとは?

ここでいうラリーとはSSラリーを指しています。
SSラリーはリエゾンという区間とスペシャルステージ(略してSS)という区間に分かれていて、SS区間が全力で走る区間、リエゾン区間がSS区間と次のSS区間の間の移動区間となります。ペナルティがなければ、すべてのSS区間の合計タイムの小さい人から順位がつきます。
ラリー最大の特徴は、これらを公道でやるという点にあります。
普段は普通の人が普通の車に乗って普通に運転しているところを、遠目には普通の車が普通の道を圧倒的な速さで駆け抜けていく様はシビれます。
もちろん、地元自治体のご協力、警察からの許可を頂いて開催されています。
YouTubeなどでラリーと検索すると、心踊る動画がたくさん出てきますので、ぜひとも一度ご覧ください。

II.ラリーに出るには?

ラリーに出場する上で必要なものを列挙していきます。

1、ラリー車
2、エントリーフィー
3、運転免許
4、JAFモータースポーツライセンスB級
5、任意保険証
6、ラリー保険への加入

最低でも以上の6つが必要となります。
ジムカーナやダートトライアルなどのB級ライセンスで出られる競技でも車とエントリーフィー、運転免許とライセンスは必要ですが、ラリーではさらに“保険”というものが大事になります。
これはラリーが公道を使用する競技という特性があるためです。
リエゾン区間で交通事故に合うこともありますし、山道を全開走行しているときにクラッシュすることもあります。
ジムカーナやダートトライアルではクラッシュしてもせいぜい自分の体と自分の車が被害を受ける程度ですが、ラリーの場合はSS中にクラッシュすると、ガードレールを破損したり木をなぎ倒したりします。
当然、壊してしまったものには責任を負わなければなりません。
しかし、状況によっては通常の任意保険が利かないこともありますし、個人での負担の限界を超えることも多くありますので、必ずラリー保険に入ります。
北海道のラリーでは毎戦ごとに3000円で入ることができます。

参加に必要なB級ライセンスについてのコラムはコチラから
https://www.hai-sya.com/column/b_class_license_univ001h.html

III.ラリーのルールと個人的に感じた注意点等

ラリーは“アイテナリー”と呼ばれるスケジュール表に従って行動するモータースポーツです。
アイテナリーには何時何分にここにいなさいといった指示書です。
表-1にそのイメージを載せておきます。

表-1:アイテナリーのイメージ

アイテナリー

一番左がラリーの行程番号にあたるもので、ただの数字がリエゾン区間で、TC(Time Controlの略)によって何分で通過しなさいといったように時間管理されます。
頭にSSが付いているものが全開で走行するSS区間にあたります。

サービスというのは、車のメンテナンスをする時間です。
ラリーでは悪路を全開走行することも多いのでよほど短いラリーでもない限り必ず一回はあります。
ここで許される整備は基本的にタイヤ交換、灯火類のバルブの交換、各部点検のための増し締め等の簡単なもののみで、そのほかの項目については主催者の許可が必要です。
また給油はできません。
一方で、本格的なラリー車の場合では燃費が4,5km/Lというものもありますから、そのような車が出ることが予想される大会や、総走行距離が長いラリーではRefuelという給油の時間が別途設けられます。
ちなみに、日本最長のラリー大会であるRally Hokkaidoでは総走行距離750km(SS区間約200km、リエゾン区間550km)に対してRefuelは5,6回あります。

― これは余談ですが、格式の高い大会では事前に給油量を申告する必要があり、主催者が決めた価格に従ってガソリンを購入します。このガソリン代が非常に高く、Rally Hokkaidoでは370円/Lで統一されています。例えばRally Hokkaidoに出場するとして、ラリー車の燃費5km/Lで750kmを走ったとするとガソリン代だけで… ―

Regroupは文字通り再編成という意味です。
ラリーではリグループという時間を設けることで、前半のセクションでトラブルが起きて大会運営が遅れたときにその分をリグループで吸収させます。
上のアイテナリーでは最大30分の遅れをここで取り戻すことができます。
サービスからリグループの間はパルクフェルメと呼ばれる駐車場に車を停めます。
パルクフェルメでは一切の整備が禁止されています。
ボンネットでも開けようものなら失格もありえます。
また、再入場も禁止です。
だいたいリグループ時間の5分前になるまでは入ることはできません。
よく飲み物を車内に忘れてひもじい思いをします(笑)

アイテナリーについてはこれぐらいの説明で終わりにします。
参加受付や競技車検の時間はアイテナリーには書いていないので、大会毎に発行される“特別規則書”をよく読みましょう。
また、アイテナリーに記載されている時刻は1号車のものなので、自分のゼッケン番号を見ながら、何時何分に自分がどこにいればいいのかをきちっと把握したうえでラリーをしましょう。

さて、先ほど“I.ラリーとは?”でも述べたとおり、ラリーではSS最速で駆け抜けたペアが勝ちます。
ただし、これはいかなるペナルティを受けなかった場合に限ります。
ラリーのペナルティは、ジムカーナやダートトライアルのように失格等もありますが、他にもデイ離脱、タイムペナルティがあります。
地区戦の場合では一日でラリーが終了することが多いので、デイ離脱は実質的に失格となります。

表-2:代表的な違反行為とそれに対応する罰則

対象となる違反行為 対応する罰則
各目標時間に早着した場合 タイムペナルティ
例:1分につき1分
各目標時間に遅着した場合 タイムペナルティ
例:1分につき10秒
各目標時間に15分以上遅着した場合 デイ離脱
SSのスタートで、スタートの合図が出て20秒以内にスタートできないとき 失格
SSのスタートでフライングしたとき タイムペナルティ
例:一回目10秒、二回目1分、三回目3分、四回目失格等
SSを逆走した場合 失格
リエゾン区間で指定された区間以外を走行した場合 失格
参加受付で必要書類を忘れたとき 審査委員会で協議の上、最悪の場合、スタートの拒否
サービスパークにて時速30km以上で走行したとき 審査委員会で協議の上、最悪の場合、失格

ラリーでは遅着よりも早着に対して厳しいペナルティが課せられる傾向があります。
これは、遅着の理由の多くがマシントラブルによるもので、早着の場合はほぼ間違いなく参加者のミスによるものだからです。
ラリーではマシントラブルは日常茶飯事であり、主催者もこのような理由による遅着に対しては寛容であることが多いのです。
一方で早着の場合、特に各TCに1分以上早着してしまった場合は最悪の場合失格が与えられます。
これは、各SS前のTCは狭い山道であることが多く、車両の順序入れ替えなどのせいで大会の進行に支障をきたすこともありますし、車両同士の不意の接近を回避するためです。

表-2を見ると、SSを逆走した場合失格とあります。
一見すると、SSを逆走なんてしないだろうと思われがちですが、これによる失格もときどき見られます。
これは例えば、SS走行中にスピンをして前後がわからなくなった結果起きてしまうのです。
スピンしたときは大いに気を付けましょう!

また、しばしばみられる違反がリエゾン区間でのショートカット。
例えば「SS走行中にタイヤがパンクし、リエゾン区間でタイヤ交換をした結果次のSSに遅れそう」という場合。
今時はカーナビを使えばいくらでも近道が見つかりますし、参加しているラリーが地元で開催されているならば付近の道を熟知していることでしょう。
しかし意外とバレます。
やめましょう。

さらに注意しなければならないのは地区戦独自のルールがある場合です。
各地区によって、いわゆる“ローカルルール”があります。
代表的なものとしてはクラス分けです。

表-3:北海道地区と関東地区のクラス分けの違い(一部)

JMRC北海道
Ch./Jr. RA-5 排気量3000cc以上
Ch./Jr. RA-4 排気量3000cc以下
Ch./Jr. RA-3 排気量1500cc以下で二輪駆動
Ch./Jr. RA-2 排気量1600ccより大きいRPN車両
Ch./Jr. RA-1 排気量1600cc以下のRPN車両
K-car 軽自動車
(NA車、ターボ車、駆動に関わらず)

(注)Ch.:チャンピオンクラス、Jr.:ジュニアクラス
ターボ車は排気量に1.7をかけたものを排気量とする

JMRC関東
Aクラス 排気量1500cc以下
Bクラス 排気量1500cc以上3000cc未満
Cクラス 排気量3000cc以上

(注)ターボ車は排気量に1.7をかけたものを排気量とする

表-3のように2017年のクラス分け簡単にまとめました。
これを見れば明らかにクラス分けが異なることがわかると思います。
2017年現在の全日本ラリーに近いクラス分けをしているのは北海道です。
しかしながら、各地区の参加車両の次第では、全日本に合わせてクラス分けをしてしまうとかえって参加車両が分散させられ成立しなくなってしまうクラスが出てくるのでおいそれとクラス区分を変更はできないのでしょう。

ラリーの各地区戦に出場する場合はそのシリーズの統一規則書を読んでおくこともとても大切です。
例えば北海道の場合(とは限りませんが)、よく読まないと以下のようなルールに抵触してしまいます。

・Ch.RA-5、Ch.RA-4クラスではラジアルタイヤ(Sタイヤではない舗装用のタイヤ)が禁止。
たとえ舗装ステージの場合でもダート用のタイヤで走ります。
他のクラスではダート用タイヤを使用することはもちろん、ラジアルタイヤも使用することができます。
・Ch.RA-3の年式制限。
Ch.RA-3クラスに出場する車両は初年度登録が2000年以降でなければなりません。
要はヴィッツやフィットやデミオなどの比較的新しい車に乗ってきなさいということです。
NA車の方のスターレットや、シティなどでチャンピオンクラスに出場しようとするとCh.RA-4での出走となります。

一方で、各ラリーに出場する際は特別規則書も熟読しましょう。
先ほどタイヤ制限のことを少し書きましたが、北海道のラリーの中には、舗装ステージがあるのに特別規則書をよくよく読むと全クラスでラジアルタイヤが禁止されている場合もあります。
つまらない見落としで失格になったり、出走する直前になって気が付いて余計な出費だったりと悔やみながら走るのも御免です。

皆さんもラリーに出る際は細心の注意を払って規則書を読みましょう。
そして出場する自身や周りの選手とフェアに戦い楽しみ、観客や大会運営をしているオフィシャルの人も見ていて楽しくなるような大会にしましょう。

(執筆:北海道大学自動車部)

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