海外のレンタカー、カーシェアリング事情~実際にある?日本との違いは?~
日本の…特に若い世代のマイカー離れは深刻なようで、自動車の売り上げ台数はここ近年、急激に少なくなってきているのだそうです。これは、マイカーはダサい、あるいは公共機関の発達により、自動車自体を運転しないようになったというのが一番の理由になっているようですが、外国ではどうなのでしょうか。
そもそも、外国にもそういうサービスがあるのでしょうか?また、料金体系やお得感、その他の特徴は?さまざまなことを比較しながら、日本のサービスはお得なのか、進んでいるかどうかについても詳しく見ていくことにしましょう。
街中のコインパーキングの併設カーシェア
海外でもレンタカーで行動範囲を広げよう!
日本では、カーシェアリングはレンタカーと同じものとして分類されていますが、その細かなサービスは異なります。以下で、レンタカーとカーシェアリングの違い、特徴について簡単に見ていくことにしましょう。
(1)レンタカー
レンタカーというのは「rent-a-car」と表記される和製英語で、時間単位、あるいは日数、月単位といった比較的長時間の貸し出しがメインとなります。車種は軽自動車から始まり高級車、トラック、営業車風の車両、スポーツカーなど、その種類はさまざまです。
貸し出しを受けるためには、日本で運転できる免許(国内の免許、あるいは国際免許証)を持っていることが最低条件となります。ただし、初心者マークの人や一部スポーツカーなどは、ある程度の運転経験がないと貸してもらえないことがありますので注意が必要です。その条件はレンタカー会社によって異なります。
利用の際には予約が必要になることが多いですが、特に事前の会員登録の必要はないところがほとんどです。
(2)カーシェアリング
それに対し、カーシェアリングはレンタカーよりも短時間での利用を想定しています。1980年代後半にスイスやドイツなどの欧州で始まり、それがアメリカへ、そして日本へと広がったのだそうです。
レンタカーとの大きな違いは事前に会員登録が必要になることで、事前予約だけでは自動車を借りることができません。また、車種は軽自動車やエコカー、あるいは低燃費であるものが多く、高級車やトラック、スポーツカーといったものはほとんど取り扱いがありません。
借りる時間はレンタカーよりも短い時間…15分単位や30分単位といった課金を想定していることがほとんどです。また、最近ではマイカーを持ちたがらない若い人、あるいは日中に家族が使用していて、マイカーがない主婦層たちを中心に利用者が拡大してきています。
海外でもレンタカーはあります
ワーキング車のレンタカーは少ない
では、外国におけるレンタカーやカーシェアリングはどのようになっているのでしょうか。ここでは、先進国を中心に日本とどのように違うのか、そもそもカーシェアリングはあるのか見ていくことにしましょう。
(1)アメリカ
・カーシェアリング
日本以上の自動車大国アメリカ。カーシェアリングもアメリカから始まったと思っている人もいるかもしれませんが、前述の通り実際には後発国です。しかし、広大な土地、そして何でも自動車が必要になる国なので、このようなサービスはとてもありがたいものとして大きく広がっています。
日本同様、主に利用者が多いのは都心部で、ニューヨークやワシントンDCを始め、各州の中心では重宝されています。車種はボルボやBMWといった人気の車種のほか、日本の車両が使用されることも。日本と比べると、エコカーというよりは人気やニーズを重視している傾向にあります。
また、都心の駐車場のほか、大学内に設置されているのも大きな特徴で、国内大手として名前が挙がる「Zipcar(ジップカー)」が多くの大学と提携しています。大学内の教職員はもちろんのこと、学生も移動に必要になることを考えると、非常にニーズが高い場所なのです。人口も多く、駐車場確保の問題が出てくるのはアメリカも同じ。日本の大学生は都心では必要としていませんが、アメリカでは需要がたくさんあるのですね。
その他、ワシントンでは地下鉄の駅周辺にもカーシェアリングを配置しているところが多いです。地下鉄利用者の利便性を高めるために行っているそうですが、このあたりもさすが自動車大国ですね。
・レンタカー
レンタカーももちろん、アメリカでは人気のサービスのひとつです。こちらは、条件さえそろえば旅行に来た日本人も手軽に利用できるとあり、旅行者も多く利用しています。
大きな特徴としては、レンタル料金が日本と比べるととても安いという点が挙げられます。1日まるまるレンタルしても、だいたい30ドル程度。車種にもよりますが、日本の半額以下で借りることが可能です。日系のレンタカー会社もありますので、旅行者にとってはとてもありがたいサービスですね!
ただし、日本と違い、自動車を借りるには25歳以上という制限があります。追加料金を支払うことで借りられることもありますが、基本的には年齢制限を遵守する形になりますので注意しましょう。
イギリスと言えば、二階建てバス!
イギリス圏は、右ハンドル車です
(2)イギリス
同じ英語圏の先進国、イギリスではどのような状況になっているのでしょうか?
・カーシェアリング
イギリスもカーシェアリングを利用する人が増えていて、2015年には首都ロンドンの交通局などが戦略を発表するなど、そのニーズは確実に高まってきています。
イギリスをはじめとした欧州圏の特徴として、物価や税金が高いというのがありますが、実は、車検代はとても安いのだそうですね。しかし、人件費がかかることを考えると、決して安いものではありません。
そこで、日本と大きく違う特徴の一つに、「個人の車をカーシェアリングする」というシステムがあります。streetcar(ストリートカー)などの大手企業もありますが、個人が専用のサイトに登録することで、自分の車をカーシェアリング用として貸し出すことができるようになるのです。
これによって、利用者も利益を出すことができますし、運営している企業も儲けることができます。日本ではまだないシステムですが、これからは検討することも考えられるかもしれませんね。
・レンタカー
レンタカーも日本と同様、色々なサービスが用意されています。免許に関しては滞在日から1年間は日本の免許証で運転可能とされていますが、念のため国際運転免許証を発行していくのが良いでしょう。
料金に関しては車種、そして借りる場所によって大きく異なるようですが、全体的に日本よりも安い傾向にあります。旅行等で借りることを考えるのであれば、事前に料金を調べ、ネット予約を済ませておくのがおすすめです。
ドイツメーカーの車(アウディ)
マツダ6:アテンザは、欧州Dセグメント車
(3)ドイツ
ベンツやBMWなど、日本でも人気の外国産車があるドイツ。しかし、ドイツでもカーシェアリングが人気で、若者の自動車離れを防いでいると言われています。
・カーシェアリング
ドイツでは、カーシェアリング利用者は100万人を超えると言われ、非常に大きな市場になっています。2020年までにはその倍の200万人ほどに利用者が増えるのではないかとまで言われるほどの勢いで、車両数、企業数も増加傾向にあるのが特徴です。
イギリスのように個人のカーシェアリング事業もあるのですが、若者の自動車離れを防いだ一番の功労者はBMWだと言われています。首都のベルリンではBMWとレンタカー大手のシクストで合弁会社「DriveNow」が大人気!利用した人達の中には、自家用車を売り払い、カーシェアリングのみを利用するとアンケートに答えた人たちも多くいたのだそうです。
その特徴としては、クルマがどこでも見つかるということで、DriveNowでは「半径500m以内で車が見つかる」と謳っています。さらに、自動車は乗り捨てもOKで、地下、あるいは専用の駐車場以外であれば、ベルリン市内、どこでも置くことが可能です。これもBMWの戦略のひとつで、ベルリン市との協力があって初めて実現しました。
料金面でもガソリン代、保険料などすべてコミコミで30分12ドル程度より。日本よりもかなり高めの料金設定になっていますが、すべてコミコミなので、他のことを気にせず車両を運転できるのがいいですね。
・レンタカー
カーシェアリング同様、レンタカーも充実しています。
国産の車のほか、アメリカ車などの外国産車を使っている場合もありますが、その料金は日本と比べるとかなりの格安が特徴です。借りる場所で差がありますが、ネット検索をしてチェックをしてみると、小型車の料金で1日4000円前後の料金となっています。
(4)オーストラリア
広大な土地の先進国というと、オーストラリアを挙げる人も多いのではないでしょうか。実は、オーストラリアにもカーシェアリングがあります。
・カーシェアリング
GOGETなどの企業があり、日本と似たようなシステムでカーシェアリングを行っています。都心では特に車両数も多く、至る所で車両を借りることが可能です。料金は日本とほとんど同じくらいですが、車両の状態はしっかりとチェックしてから乗る方が良いという話もあります。
・レンタカー
レンタカーももちろん多くの車両があり、旅行の際にも便利ですね。
小型車だと1日4000円前後と比較的安価で借りることができるようになっています。
この他、スイスなど欧米では多くの国で行われているほか、アジア圏では中国や韓国でも少しずつですが、カーシェアリングのサービスが始まってきています。
小型EV(電気自動車)のカーシェアリング車
沖縄などの観光地ではレンタカーは必需品
こうやって先進国のカーシェアリング事情を見ていくと、日本は比較的遅れているように感じます。それもそのはず、日本にこの制度が入ってきたのはつい最近のことで、まだまだ知らないという人も多いです。自動車を借りる=レンタカーという発想を持っている人も多く、レンタカー業者も車種や料金を勉強し、非常に使いやすくなってきています。
いずれはイギリスのように、日本でもカーシェアリングに個人が参加するような時代がやってくるのでしょうか。まだまだこれからの業界、これからもっと利用者が増えるようなサービスを展開し、さらに発展していくことでしょう。
カーシェアリングやレンタカーはとても便利なサービスですが、日本における若者のマイカー離れが加速しつつあるのも事実です。サービス自体はマイカー持ちを増やす効果はないように感じますが、それでも自動車の需要が増えることに変わりはありません。
今のご時世、問題になっている環境のことを考えれば、車両の台数が減るのは環境保全に直接つながります。しかし、自動車業界も電気自動車を普及させたりエコカーの開発に余念がなかったりと、決して対策を練っていないという訳ではありませんが、まだまだこれからの課題です。
賛否両論はあるかと思いますが、短時間のレンタカーに非常に便利なカーシェアリング、これからの発展に期待ですね。
パーツやメタル資源として再利用し国内外に販売!
車解体の資格を持つ廃車.comの工場と直取引だから高く買取れる。
すでに払った31,600円の自動車税も返ってくる。
(4月に廃車/1,600cc普通自動車)