お気に入りの音楽をかけながらドライブしたい!
だけど自分の愛車についてるオーディオではCDしか読み込めない・・・
あるいは壊れてしまっていて何も再生できない・・・
そんなときはオーディオデッキを交換しましょう。
それも自分で交換すれば費用削減になるし(お店にやってもらうと作業代がかかります)、知識も身に付くし、何より愛車への愛着がより一層強くなります!
この記事では、マツダロードスター(NB2)の純正オーディオデッキ交換を例に挙げながら、一般的な構造の車のオーディオデッキ交換(純正→社外)のやり方を紹介していきます。
まずはデッキ交換に必要な知識を簡潔に紹介していきます。
デッキの奥の空間にはオーディオやエアコン等の配線が収められています。
オーディオに関しては、デッキとスピーカー等を接続するのに「カプラー」という端子が使われています。
基本的には車体側から生えてるカプラーとデッキの線を繋ぐだけで音を出すのに必要な配線はほとんど終わります。
基本的にオーディオ全般は、
音源データ(CD等)
①DAC(デジタルデータをアナログデータに変換する装置)
②アンプ(アナログデータを増幅する装置)
③スピーカー
という経路で音が出ます。
オーディオデッキは操作パネルに加えてDACとアンプの仕事を担ってます。
普通は、
①オーディオデッキ
②スピーカー
という構成になってます。
カプラー
CD入れたり、選曲したり、音量調節したりする機械をオーディオデッキといいます.
カーオーディオデッキの大きさは1DINと2DINという2種類が主流となっています。
DINとはデッキやエアコンの操作パネルをはめるスロットの大きさを表していて、
・1DIN=1スロット
・2DIN=2スロット
・2DIN=1DIN×2個分
自分の車の空きスロットの大きさに合わせて適切な大きさのデッキを用意しデッキの機能面については、自分の使用スタイルに合った物を用意しましょう.
最近ではBluetoothやハイレゾに対応した機種が多いです。
1DINのオーディオデッキ
マツダBOSE車は、
①オーディオデッキ
②アンプ
③ スピーカー
という構成になってます。
これは、アンプをオーディオデッキに内蔵せずにアンプ単体を用意することで高音質化を狙った構成です。
マツダ車の純正オプション装備であるBOSEのオーディオシステムでは、音声回路に使用されている抵抗値が一般的なものとは異なっているために、ただ説明書通りにオーディオデッキを交換しただけではきちんと音が出ず、うるさいノイズが発生するだけです。
なので取り付けキットの説明書には、
「BOSEオーディオ搭載車はデッキ交換できません。」
と注意書きがされていたりします。
しかし、比較的簡単な加工を施すことでBOSE搭載車の車でもデッキ交換することができます!
今回の主役です。マツダBOSE車の場合は、RCA出力があるものを選んでください。
車体側のカプラーとデッキを接続するのに使います。
メーカー・車ごとに車体側のカプラー形状が異なるので取り付ける車に合った物を用意しましょう。
ロードスター(NB2)用ハーネス 右端の端子はギボシ端子です
デッキを車体にはめるときに必要になります。
これも取り付ける車に合ったものを用意しましょう。
取り付けキット
ドライバー類やラジオペンチなど家にある基本的な工具。
デッキからのアース線を車体に取り付ける時に使います。
NBロードスターではM6、15mmのボルトを使いました。
以下、マツダBOSEオーディオ搭載車のオーディオデッキ交換に必要なもの
BOSEのアンプと取り付けようとしているデッキの抵抗値の違いによるノイズを消してくれます。
オーディオテクニカ製のものが有名です。
上記のノイズフィルターに繋げるケーブルです。
両端RCA端子の物を2本用意します。
RCAケーブルの端子を一部ギボシ端子に変えるので必要。
オスメスそれぞれ3セットあればok。
失敗した時のため10セット位用意するといいかも。
RCA端子をギボシ端子に変更する時に使います。
いよいよ取り付けです!
僕はアンテナの配線をせずにラジオ機能を使わない仕様にしましたので、ラジオも生かしたい方はラジオ配線も忘れずにしてださい。
①作業をするときは安全のためエンジンを切り、バッテリーの-端子を外して行ってください。
②DIYなので全て自己責任でお願いします。
③マツダBOSE車にのみ必要な作業は各項目の後ろに書きますので、マツダBOSE車の方は作業内容を全て読んでから作業に移ってください。
取り付けたいデッキの配線をしておきましょう。
まずはデッキに付属しているハーネスをデッキに接続し(カプラー接続)、デッキのハーネスと用意したオーディオ取り付け用ハーネスをギボシ接続します。
接続の仕方はデッキの説明書とハーネスの説明書を参考に行ってください。
※以下マツダBOSE車のみの作業
左右のフロントスピーカーのそれぞれ+と-の配線は、デッキハーネスから持ってこずに、デッキのRCA出力からとってきます。
構成としては、
① デッキ
② RCAケーブル
③ ノイズフィルター
④ RCAケーブル(片側ギボシ加工)
⑤ 取り付け用ハーネス
となります。
スピーカーの配線以外は普通にハーネスからでOKです。
2本あるRCAケーブルのうち1本の片側のRCA端子を切り落とし、それぞれL+、L-、R+、R-、に分けてギボシ端子に加工します。
この時ギボシのオスメスは取り付け用ハーネスのギボシと接続できるように間違わないようにしてください。
RCA端子を切り落とし、皮膜を剥くと中心に皮膜に覆われた+が、+の周りに-の線があります。「-」の線をよじって一本の線にし、「+」の皮膜を剥いてこちらもよじり一本の線にします。
そしてそれぞれギボシ端子に加工します。加工後は根元をビニールテープ等で絶縁してください。
RCAケーブルの加工が終わったら、
① デッキRCAケーブル
② ノイズフィルター
③ RCAケーブル(片側ギボシ加工)
④ 取り付け用ハーネス
の通り配線してください。
皮膜を向いた後 中心の赤い皮膜の中に+の線が、その周りが-の線です
ギボシ端子に加工した後 非常に下手です。上手なお手本はネットで探してください
オーディオデッキ取り付けキットに付属している取り外し用の工具を使って外します。
デッキ両側のキャップをマイナスドライバー等で外すと穴が現れるのでそこに工具を奥まで差し込み、持ち手を外側に押しながら引き抜きます。
キャップ
キャップを外したあと
工具を差し込んだ状態
デッキが外れた後はデッキ裏側の線を外して完全にデッキを取り外しましょう。
※以下マツダBOSE車のみの作業
BOSEアンプに電気を供給する配線が必要なのですが、今回僕が用意した取り付け用ハーネスにはその為の配線がありませんでした。
そこで、外部アンプ用の配線は取り付け用ハーネスを経由せずに、デッキハーネスの外部アンプ用配線と車体側の配線をギボシで接続することにしました。
まずは車体側のアンプ用配線を切断してカプラーから外します。その後アンプ用配線をギボシ端子に加工します。
車体側カプラーの裏側 画像で下の段左から3つ目の線がアンプ用です
アンプ用の線をギボシ端子に加工します
デッキ取り付けハーネスのカプラーと車体のカプラーを繋ぎましょう。その後にデッキのアースを車体の金属部からとるのを忘れずに。説明書を読んでその他必要な配線があるならばそちらも接続しましょう。
ここまで完了したらバッテリーを繋ぎ、車の電源を入れてデッキの動作確認を行いましょう。ちゃんと動作したら後は車体にデッキをはめるだけです!
※マツダBOSE車は外部アンプ用配線も忘れず行ってください。
車体の金属部にアース線をビス止めした様子
配線が完了したらあとは取り付けキットの説明書に従ってデッキを車体に取り付ければオーディオデッキ交換は完了です!
お疲れさまでした!
取り付け完了! 下側から配線が丸見えなのは気にしないで下さい(笑)
ロードスターのオーディオデッキ交換をしようと思い立って情報収集を始めた直後は、
「配線の知識皆無だし、自分には配線の加工をして取り付けなんて無理だなぁ」と交換を諦めていましたが、純正のBOSEオーディオデッキがついにCDすら読み込まなくなったのを機に思い切って自力での交換に挑戦しました。
やはり配線の加工でかなり苦戦を強いられましたが、最後には無事新しいオーディオデッキを取りつけることができて大満足です。
自力でオーディオデッキを交換したので、次オーディオに何か異常が起こってもまた自分で解決できるだろうという自信もつきましたし、何よりスマホやウォークマンの曲を聴けるというのが素晴らしいです。
純正BOSEオーディオも当時はいい音だったのでしょうが、もう20年近く前のものなので、さすがに最近のデッキの音質には劣ります。
一般的な仕様のカーオーディオを使っている方ももちろん、ロードスターのように特殊な仕様のカーオーディオの方でも、是非オーディオデッキ交換にチャレンジしてみてください!
意外と自力でできるものですよ!
その時にこの記事が少しでも皆さまの助けになれば幸いです。
それではよいカーライフを!
(執筆:広島大学体育会自動車部部員)