自動車の技術革新での功績で最近では路上に止まっている車を見かけることが少なくなりました。
しかし、いまだ自動車の部品は2万~3万点で構成され、その一部分でも故障すると異常を示すチェックランプや、異音を発生することにつながり、異常を放置しているとやがて故障が拡大し最悪は止まってしまいます。
そうならない為にも、車の不備はいち早く発見することが必要です。今回は車が故障してしまったときの対応と原因をまとめました。故障の原因が分からずに悩んでいる人の参考になれば幸いです。
現象としては、大まかに3つほど考えられます。
1つ目は、混合気。燃料と空気が混ざり合ったものを混合気と言いますが、バランスの取れた混合気であるかが重要なポイントとなります。空気に対して燃料が濃すぎても、薄すぎても、点火した際に実力を発揮できないのです。空燃比、ガソリン1に対して空気14.7が理想とされています。
2つ目は、圧縮。混合気をシリンダー内で圧縮できているかどうかという点です。シリンダーの上下運動で、一番下に来た際に混合気を吸い、蓋をします。その状態で、シリンダーで混合気を潰し密度をより高い状況なり点火することで大きな力を得ています。
この圧縮が他シリンダーとバラツキがあればエンジンはうまく回りません。圧縮比は、車によって様々ですが、おおよその目安は10:1前後です。
3つ目は、点火。プラグにより、火花が発生しているかどうかを確認しましょう。どれだけ、混合気を発生させ、圧縮しても点火しなければエネルギーを発生することができません。火花、点火タイミングが大事になってきます。
プラグでの火花は目で見てわかりますが、コードの通電、などは専用の機械でチェックしなければなりません。プラグの交換は、自らもできるレベルの車もありますが、通電をチェックする装置は一般ではなかなか使わないので、専門店でチェックしてください。
このように、エンジンがかかるための3要素が一つでも欠けることによりエンジンがかからなかったり、かかりづらかったりすることになります。
先にお伝えした、3要素の原因でうまく燃焼されていないシリンダーなどがあるとエンジン回転にばらつきが出て、左右に揺られることで振動が発生します。
異常な振動の状態で使用し続けると、下記の画像であるエンジンマウントなどを痛め2次の故障へと発展してしまいます。無理せずに、早々に修理してください。
〜エンジンマウントブッシュ画像(3〜4箇所で支えられている。)〜
他にも、エンジンを支え、振動を吸収する、エンジンマウントの劣化や切れにより
本来ゴム部分が硬化することなどでも発生します。
そのほか、ミッション、ショックアブソーバー、アーム関係などにもブッシュがあり、ふだん感じない振動が起きた際は、一度点検してみてもいいかもしれません。
過走行車などは、特にブッシュが下手ることが多いので交換することをお勧めします。新車の乗り心地が戻ってくるかもしれませんよ!
カーエアコンをかけても、イマイチ冷えない…。そんな症状の場合は、主に3つの原因が考えられます。
1:冷媒用のガスに係る原因
2:エアコンフィルターに係る原因
3:ブロアモーターに係る原因
<1:冷媒用のガスに係る原因>
フロンガス冷媒効果により、エアコンが冷えます。その冷媒ガスが少なくなったり、冷媒ガスがなんらかの原因で上手に循環しなくなったりするとエアコンが冷えなくなります。
冷媒ガスの循環の様子は、エアコンガスが循環する配管の途中に小窓がついており、その小窓から循環の様子が確認できます。小窓から見える様子が、大きな泡であったり、一定の流れでなく大きな泡と小さな泡がバラバラに流れたりしている状態だと冷媒ガスが少なくなっています。
冷媒ガスに問題がある場合は、ガスを補充すればエアコンの効きは復活します。フロン類が充填可能な整備工場さんでガスを充てんしてもらいましょう。
冷媒ガスの充填量にもよりますが、作業工賃を含めておおよそ6,000円から10,000円位が目安です。
1990年後半ごろまで使用されていたカーエアコン冷媒ガスであるCFCガスは、分子構造が小さくエアコン配管の継ぎ目やゴム部分から自然と抜けてしまいます。そのため夏場になると、ガス充填は街角のガソリンスタンドなどでも頻繁に行われていました。
しかし近年、冷媒ガスはHFCガスが主流です。HFCガスは、分子構造が大きくエアコン配管の継ぎ目やゴム部分は漏れません。したがってHFCガスが少なくなっている場合は、配管やコンデンサーなどに穴があいている可能性が高いです。その場合は、修理代は高額になるケースが多いですね。
<2:エアコンフィルターに係る原因>
長年乗っていると、意外と見落としがちなところがフィルターの目つまりです。主に、フロントのダッシュボード中にファン(ブロアモーター)の前に装着されています。
インターネットなどで調べると自分でも取り外しできるくらいの簡単作業なのでつまりなどは、掃除機にて清掃すると改善します。最近ではネット通販でフィルターを手軽に入手できるサイトもあります。
<3:ブロアモーターに係る原因>
ブロアモーターは、室内のエアコンの風を循環するファンのことです。数すくない原因ではありますが、異音がしたり、風量が弱くなったり、風が全くでなくなった際はブロアモーターの故障が考えられます。
モーターなので、当然ブラシの摩耗、ローターの摩耗やベアリングの油切れにより、異音が発生したりします。場所は、前にお話しした通り、ほとんどの車両がフィルターの近くについています。取り付けネジは、ほとんどが3~4本位です。
取り外しはフィルターより多少の技術が必要なので、修理工場などで見てもらうことをお勧めしますが、一部、ネットでも部品購入できるサイトがあるようです。
業者に依頼した際は、2~3万ほど工賃をお支払いすると考えると、自らチャレンジして安価での修理を目指すのもよいかもしれません。
異音といっても様々な異音があります。場所に分けてみてみましょう。
1:エンジンルームからの異音
2:ボデーからの異音
<1:エンジンルームからの異音>
エンジンルーム部分で多いのが、「キュルキュル、シュルシュル」などのベルト類が滑ったことによる異音。原因として、ベルトが劣化し固くなったり、伸びること
で、テンションが弱くなったり、油、水がついたことによる滑べりで異音がでます。
劣化したものは、交換するしかありません。しかし、伸びたベルトは、調整し、既定のテンションに戻してあげると異音は、止まります。また油によるすべりなどは、ワックスオフすることで、水は、自然乾燥することにより止まります。もし、上記でも改善しない場合は、ベルト鳴き止めスプレーなどがあり、塗布することで改善します。
その他に「カラカラ コトコト」などの異音は、エンジン及び、エンジン周辺の機器からの金属異音の可能性があります。時間をおいても治る可能性が少ないと考えられます。2次故障、3次故障を避けるため早めに、修理工場へ持込みをお勧めします。
<2:ボデーからの異音>
ボデーの異音出多いのが「きしみ音」です。上下の揺れや、横揺れなどでボデーがねじれた際に「ミシミシ、キシキシ」と発生します。長年乗って、過走行になれば、当然傷みも出てきます。
特に、オープンカーなどは、床のボデーだけで重量を支えている構造になっているため、溶接部に負担がかかり剛性が落ちることにで、音が発生してくるのです。極端にみると、レースなどは、一般的なボデーの溶接部では対応できない為、スポット増しと言う補強を行ってボデー剛性を保っているのです。
一度きしみ音が、気になりはじめると深みにはまって、耳についてしまいます。敏感になってしまう方は、一度修理工場などで相談し点検してもらうことをお勧めします。
ひと昔で行くと、ファンベルトが切れることにより、冷却装置系の停止でオーバーヒートによる故障などがよくありボンネットを開け、前で立ちすくむ人の姿が印象的でした。
しかし最近では、ほとんどが、エンジンよりも電気系とトラブルが致命的ではないでしょうか。特に、異常な夏の暑さが続く電気系の熱負荷は、相当なものと言えるでしょう。
さらに、暑さを回避するため、電気系エアコン装備品は常に全開を余儀なくされるため酷使した使用の結果、バッテリーやダイナモへの負担もかなりなものとなります。ダイナモ不良により、バッテリーへの充電が滞って蓄電がなくなり、エンジンを回すだけの電気供給が出来ずやがてストップすることになります。
また、メンテナンス不足で起こる致命傷の多くは、オイルメンテナンス不足で、スラッジが発生し潤滑油経路の目詰りをおこすことで、潤滑不足でピストンやクランクシャフトで金属摩擦が大きくなり焼け尽きやメタルシールが解け落ち一発終了の大ダメージとなります。その他、事故によるエンジンそのものの損傷などが考えられます。
エンジン本体でのトラブルは、大きくは機械的、電気的に別れます。
機械的には、エンジンオイル漏れによる潤滑不足や、劣化、冷却水不足によるオーバーヒートで、シリンダーヘッドがゆがみなどでピストンやシリンダー痛めてしまうことで、圧縮が保てなくなります。
電気的には、各部のセンサーの劣化や、配線の断裂により、混合気の濃度や点火バランス誤差が生じるなど、うまく爆発が行われずに、本来の力が発揮できなくなります。
どちらも、エンジンにとっては、致命的なものになって最終は、車が止まる原因にもなります。
まず、動作弁がどのような役割を担っているのかを少しお話します。混合気を流入し、排出する際に開閉を行うことが最大の働きになります。もっと細部化すると4工程であり内容を見てみましょう。
①吸気行程
ピストンが下がり、吸気弁がひらくと、シリンダー内の気圧が下がり、混合気が入ります。
シリンダー内燃料直噴タイプは、空気だけが吸気されます。ピストンが下がりきったところで、吸気弁を閉じます。
②圧縮行程
吸気弁と排気弁が閉じられた状態で、シリンダー内に取り込んだ混合気を圧縮します。弁が閉じられ、先にも記載の通り1/10ほどに圧縮され、高温高圧状態になります。しっかりと弁が閉まってないと、気圧を保つことができません。
③燃焼行程
高温高圧状態にある混合気に、プラグで火花を飛ばすと、混合気が爆発します。その爆発圧力を逃さないため、吸気・排気弁はしっかりと閉じられています。隙間などがあると爆発のエネルギーが逃げ本来の力を得ることができません。
④排気行程
一番下部まで行ったピストンが、上がる際に開いた排気弁を通って、燃焼ガスをマフラーに排出します。排気が完了したら、排気弁を閉じます。そして、再び①②③④を繰り返す事でエンジンは回り続けるのです。
吸気、排気の動作弁は、カムにより弁の押し出しを行います。カムはシャフトを押される移動量だけ、バルブも開く隙間ができるのです。数
ミリの隙間で空気の出し入れする為、調整の幅も精密かつ慎重にしなければなりません。しかし、最近のエンジンの完成度では、ほぼ弁を調整しなければならい故障はほとんど、ないと感じます。
潤滑系のトラブルは、オイル劣化に伴いスラッジが発生し人間の血液が詰まる現象と同じことが起こります。そもそも潤滑系は、エンジンを構成する各部品が円滑に動くようオイルを循環させています。
<潤滑系の役割>
1 潤滑作用
金属同士の過度の摩擦を防いだり、滑りをよくすることで抵抗をすくなくして効率を高める。
2 防錆作用
油膜で部品表面をコーティングし、酸素や水分が直接触れないようにして錆を防止する。
3 洗浄作用
エンジン内を循環することで、エンジン内部で発生した、金属粉や異物を洗い流します。
4 冷却作用
エンジン燃焼の熱を奪い、オイルパン、オイルクーラーで放熱することにより、エンジンを冷却し、オーバーヒートを防ぎます。
5 緩衝作用
オイルが油膜となって部品の表面をコーティングすることで緩衝材の役割を果たし、金属部品同士の摩擦を軽減します。
6 気密作用
ピストンとシリンダーの隙間に入れることで、燃焼ガスがシリンダー外に漏れないようにする。
メンテナンスで回避できることだけでも理解し、最低限の投資によるメンテンナンスは行い、重症で高額な故障だけは防ぎましょう。
〜ラジエーター黒い部分〜
〜ラジエーター内部〜
冷却系のトラブルは、エンジン冷却水が劣化することで、気泡が混入し冷却効果が低下してしまいます。さらに、オーバーヒートや錆、凍結によりラジエーターが破損することもあります。
ラジエーター目つまりは内部、外部と2種類あります。内部は、冷却水の劣化により錆、汚泥化して、流れが悪くなります。外部は、フィンにホコリなどで目つまりをおこし、風の通りが悪くなることで、冷却できなくなることがあります。その他にも、ラジエーターキャップ故障があげられます。
ラジエーターキャップの役割の一つに、冷却水が100度以上になっても、液体のままで保ち沸点を上げることができます。故障するとオーバーヒートにつながる恐れがあります。
日ごろ、オイル交換は、頻繁にしますが、冷却水の交換は、忘れがちになります。
最低でも車検の際には、交換してもらうことで、予防に努めましょう。
吸気系トラブルは、吸気系はエアークリーナーを境に一次側と二次側に分かれます。
一次側:大気→エアークリーナー
二次側:エアークリーナー→エンジン
大気→エアークリーナー→エレメント→エアフローセンサー(吸入空気量測定)→ECUを通じて燃料噴射制御へフィードバックされ、これにより空気と燃料の混合比(空燃比)が決定します。
吸気系が故障し、何らかの症状が出る場合はこのエアフローセンサーが壊れることが多く、混合ガスの燃調ズレによるアイドリング不安定をはじめ、最悪の場合はエンジンが始動できなくなります。
その他、エンジン吸気系の故障は、エアークリーナーエレメントの目つまりなどがありますが、埃っぽい悪状況でなければ、そう問題にもなりません。
エアークリーナーのケースは、ピンで止まっているため、取り外しも簡単にできますしネットでも簡単に購入できます。自己で定期メンテナンスを実施することをお勧めします。
排気系のトラブルは、O2センサーの故障などにより不完全燃焼で、すすが発生し、触媒装置の詰まる原因となります。触媒装置とは=三元触媒のことです。
自動排気ガスの有害物質である、炭化水素 (HC) 、一酸化炭素 (CO) 、窒素酸化物(NOx)、以下の3つ貴金属、プラチナ、パラジウム、ロジウムを使用した触媒装置により同時に除去する。
分解後は、炭化水素は水と二酸化炭素に酸化します。一酸化炭素は二酸化炭素に酸化します。窒素酸化物は窒素に還元します。きわめて、この装置が重要になってきます。
車検時には必ず排気ガスの有害物質を測定しましょう。基準が未達の場合は、公道を走る許可をもらえなくなります。
又、この状態のまま故障した場合は、不完全燃焼となり、マフラーについているセンサー「O2センサー」(酸素濃度のセンサー)や「排気温度センサー」などで運転者へメーターパネルの警告灯で知らせてくれます。
警告メッセージが出た際は早急に、修理工場などで点検してくださいね。
〜錆による排気漏れ〜
〜触媒装置の中身、網目3mm程度〜
次に、マフラーのパイプや接合部分などが、水や雪道にまかれた塩化ナトリウムなどにより、腐食し排気漏れがおこります。腐食が大きな場合は、騒音が発生します。
車検時にチェックされる「近接排気騒音」は、エンジンをかけた状態でマフラーの出口に測定器で測ります。基準値近接排気騒音は96dB以下となります。実際、自分の耳で感じ取れると思います。
商品価値を著しく低下させることは、逆に考えると、中古車買う際に、デメリットになる部分を考えるとわかりやすくなります。多くの方が警戒するのが、事故車ではないでしょうか。
事故車でも、大きな事故、小さな事故がありますが、ネジで外せない部分(シャーシ、フレーム)の交換は、大事故と言えるでしょう。幾つもの鉄板を溶接して組み立ていますので、必ず、パネルのつなぎ目には、シーリング処理が行われています。
〜メーカーでのシーリング〜
〜補修後のシーリング〜
メーカーで入れるシーリングは、一般の修理工場では、実現できるほどの設備、道具、テクニックがないため左右で確認する、同じ車種で見比べてみるなどすれば、違いは見抜けます。一番は、自分の目でみて、試乗して確かめることが大事です事故車であれば、どの程度の事故車なのかなど納得し理解することです。
さらに、デメリットの2つ目にあげられるのが、過走行です。
走行を多く走るとなると、全体的に劣化してしまいます。エンジン、駆動系はもちろん、ブッシュやゴム製品、車体にも、負担が掛かっていることになりますので、1箇所を整備修理しても、他に故障が発生するリスクは、多くなります。
トラブルにならないためには、売る際にも騙さない、買う際にはだまされない、ことが大事なポイントです。
自動車も、機械と同じですから、定期的に調整や給油を行う必要があります。
ベルトの遊びが、規定以上になると本来の必要回転数が減り、計算された力を受けないと各部分に大きなダメージへとつながって、時間ともに消耗して行きます。
定期にチェックを受け、最小限で留めておきましょう。
〜24ヶ月点検項目〜
<日常点検>
1ウインド・ウォッシャ液の量
2ブレーキ液の量
3バッテリ液の量
4冷却水の量
5エンジン・オイルの量
6タイヤの空気圧(含むスペア・タイヤ)
7タイヤの亀裂、損傷および異状な摩耗
8タイヤの溝の深さ
9ランプ類の点灯、点滅およびレンズの汚れ、損傷
10ブレーキ・ペダルの踏みしろおよびブレーキのきき
11パーキング・ブレーキ・レバーの引きしろ
12ウインド・ウォッシャの噴射状態
13ワイパの拭き取りの状態
14エンジンのかかり具合および異音
15エンジンの低速および加速の状態
自動車に乗る際は、上記の15項目を必ず、実施することで、車からのメッセージをいち早くキャッチし、修復してあげることが大事になります。
対処法としての第一は、安全を確保する事です。特に高速道路など、特に大事故が起こっています。
状況により車内から、路側帯横にあるガードレール外まで避難することが重要です。又、後続車への周知も必要です。
〜三角表示板〜
〜発煙筒〜
2重事故を起こさないためにも、車載道具の場所や活用方法を熟知しておきましょう。
〜一般的な車載工具〜
自力の修理は、車載工具はほとんど搭載されていないことや、最近では補助タイヤの搭載設定もない車も出てきました。
又、故障しても、車載専用の診断機での原因の特定などが必要なため、現地での回復は、バッテリー上がりなどの、明らかに特定できる部分での対応しか残されていないとも言えます。
早急に、JAFや購入先への連絡を取りことで現場回避を行ってください。
現在は、1人に1台の時代になっています。日常生活で欠かすことができない車をどれだけ注意深く観察できるかが長く安全に乗るコツです。
日常の点検、定期点検を忘れずに、早めの交換を実施して下さい。まずは、手軽なチェック 「洗車」から行うもよし。愛を注ぐほど、手足となって活躍してくれるはずですよ。
以上