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唯一学生のみのドリフト大会 学ドリ2019

こんにちは!岐阜大学自動車部です。
みなさんはドリフトという競技をご存知でしょうか?

広義に解釈すると、ドリフトとはタイヤを横滑りさせた状態でコントロールする走行技術のことを差します。
小さなカーブを伴うジムカーナ競技や路面のグリップ力が低いダート競技では、この技術を使うことが速く走る上で大変有効なテクニックとされ多用されています。

ドリフトはタイヤのグリップ力が低い時代に速く走るために生まれた技術ですが、コーナーを速いスピードでカウンターステア(車の進行方向とは逆向きにハンドルを切ること)をあてて進入してくる姿がとてもかっこよく、迫力があるためにその美しさ・コントロール技術の高さに焦点を当てたドリフト競技が生まれました。

今回はドリフト競技を競い合うドリフトコンテストの一つである学ドリに我が自動車部も参戦しましたので紹介させていただきます。

ドリフト走行の様子。カウンターステアと白煙が迫力ありかっこいい

ドリフト走行の様子。カウンターステアと白煙が迫力ありかっこいい

学ドリとは

学ドリとは学生だけで行われる唯一のドリフトコンテストです。
ドリフトコンテストはドリフトの美しさ、コントロール力の高さを競い合う性質上、車のパワーやセッティングのレベルの違いで競技者同士の技術力が同じでも成績に差が出てしまう競技です。

即ちお金のかけ方で勝敗が決まる部分も少なからずあるということです。
そのため、学ドリの審査基準は通常のドリフトコンテストとは少し異なります。

それは「自分の走りで100%以上の技術を本番に出せること」です。
決勝戦の追走において車のパワーに差があり、車間が離れてしまうと普通のドリフトコンテストでは減点、もしくは敗退となります。

しかし、学ドリではその走りが審査員に100%以上の走りができていると評価されれば勝ち上がることができるのです。
基準があいまいではないか?と思う人もいるかもしれませんが、審査員にはD1グランプリ黎明期より大活躍してきた“帝王・古口美範”さんと“ドリフト侍・今村隆弘”さんが審査するため、厳正に審査されています。
何より100%以上の力を発揮する人はその場で観戦する私たちも納得できる走りを見せてくれました。

2018年までは東日本と西日本でそれぞれ東大会、西大会と分けて開催され、その大会での成績上位者が東西統一王座決定戦に参加できるという形をとっていました。

東大会は毎年栃木県にある日光サーキットで開催されます。
一方、西大会は1年ごとに会場が異なり、奈良県の名阪スポーツランドと岡山県の備北ハイランドサーキットの2会場で交互に開催されていました。

しかしながら、2019年は例年とは異なり、いきなり東西統一戦を行うことになりました。
私たち岐阜大学自動車部は東大会に参加する予定だったので問題なかったのですが、西大会がなくなったことで関西や中国・四国からの参加者はかなり減ってしまったのではないかと思います。

学ドリに向けた練習

私たち岐阜大学からは私を含めて2人参戦します。
2人ともサーキット経験者ではありましたが、ドリフトに関しては定常円や8の字をやったことがある程度で本格的にドリフトの練習を始めたのは今年の7月に入ってからでした。
練習を始めたのはかなり遅いですが学ドリはそんな私たちでもすごく楽しむことができました。

学ドリで行われる競技について説明します。
学ドリでは主に、パイロン卍、1コーナー審査、追走の競技を行います。

パイロン卍とはサーキットのホームストレート上にパイロンを一定の間隔ごとに置いて、サイドターンで進入し、ドリフトしながらパイロンの間をスラロームする競技です。
スラロームするときにドリフトできてない場合やパイロンに当たってしまう場合、逆に離れすぎてしまう場合が減点対象となります。

2019年は例年とは少し異なり進入時に1つ前のパイロンからドリフトに持ち込まないと減点という新しい審査基準が追加されました。
また、例年までは右回りか左回りかを走行直前にくじ引きで決めていたのですが、今年は右回りのみでした。

実際に置かれたパイロン卍のレイアウト。思ったより広い。

実際に置かれたパイロン卍のレイアウト。思ったより広い。

1コーナー審査とは1つのコーナーでドリフトの綺麗さを審査されます。
学ドリでは進入で減速しない迫力のある走りをできる人が評価されていると感じました。
追走とはその名の通り2台が並んでドリフトを行う競技です。

学ドリの場合、車のパワー差が選手によって違うので、追走での車間距離が離れていても後追いが勝つことがあります。
2019年は予選がパイロン卍、敗者復活戦及び第1回戦が1コーナー審査、上位進出者のトーナメント戦で追走審査が用いられました。

ドリフト初心者である私たちは実際のサーキットで練習するよりもまずパイロンコースで基本のおさらいとパイロン卍の練習をすべきだと思いました。
そのために私たちは安く、手軽に、長い時間練習できる場所を探しました。

一つ目は福井県にある雁が原スポーツランドです。
ここは冬季になるとスキー場として営業しており、それ以外のオフシーズンには駐車場でジムカーナやドリフトの練習が一日3000円で走り放題となっており非常にお得です。

平日は人も少なく、パイロンの配置など自由に決められるので自分のやりたい練習ができます。ここでは主に定常円の基礎からパイロン卍の練習を行いました。

jpg 雁が原スポーツランドにて行った定常円、8の字、パイロン卍の練習

雁が原スポーツランドにて行った定常円、8の字、パイロン卍の練習

二つ目は、三重県にあるモーターランド鈴鹿です。
こちらはドリフトデーという日が月に2回設けられており、半日(3時間)5000円で走り放題です。

このドリフトデーは隔週木曜日に開催されるため、人が少なく、初心者でも安心してコースインできます。
また、コースレイアウトも外回りをドリフトしなければコースアウトした時の壁がなく、ヘアピンやS字が多いため2速メインで安心してドリフトできます。

あまり大きなコースではないので上手になってくると物足りなく感じる人がいるかもしれませんが、安全でコスパのいいサーキットです。
ここではクラッチ蹴りやサイド進入などドリフトのきっかけからS字の繋げ方を練習しました。

運転技術の上達においてはどんな競技でもいえることですが、上手な人の横に乗せてもらい、ドリフト中の操作を見せてもらうことが上達するためには大切だと思います。

私は近所の車屋さんが主催した走行会にお邪魔し、実際に横へ乗せてもらいました。
この時にクラッチを踏むタイミングや振り返しなど自分も体感することで、ドリフトの感覚がつかみやすくなりました。

ドリフトしにくい車からやりやすい車へ

ドリフトの練習をしているけど全然うまくできない、すぐにスピンしてしまう、このように思っている人は意外とたくさんいるのではないでしょうか。

私もその一人で、アンダーステアばかりでて、リアが流れない。
また、流れたらすぐにスピンするという状態でした。
この原因は足回りのセッティングに問題があり、それを変えれば大幅にドリフトがやりやすくなります。
(ここでのセッティングは私が個人的にドリフトしやすくなったと感じた方法であり、使用するパーツや条件によりやりやすく感じるのは個人差があります。)

私が行ったセッティングは機械式デフのイニシャル増しとバネレートのアップ・バンプラバーのカットを行いました。
機械式デフのイニシャル増しとはデフの中にアルミ板で自作した0.1mm厚のシムを数枚入れ、内部の皿ばねをあらかじめ縮めることでデフのイニシャルトルクを上げる方法です。

これによって私のデフはイニシャルトルク3.6キロ→18キロオーバー(手持ちのトルクレンチで測定不能)となり、実質デフロック状態になりました。
普段使いではタイヤの片減りや駆動系への負担が大きく扱いにくいですが、コーナー旋回中ラフにアクセルをオンにするだけでオーバーステアになり、ドリフト状態へ持ち込みやすくなりました。

デフのシム増し後にイニシャルトルクを測定する工具を自作

デフのシム増し後にイニシャルトルクを測定する工具を自作

リアが流れ出した後、すぐにスピンしてしまうのは縮みストロークが確保できておらず、リアに荷重がかかった時にすぐバンプラバータッチしていたことが原因だと考えました。

私は見た目をかっこよくするためにバネにヘルパースプリングをいれ、縮みストロークを減らし、実質バネを遊ばせることで車高を落としていました。
このままでは縮み=バンプラバータッチとなり荷重が抜けてスピンしてしまうため、ヘルパースプリングをなくし、バネを遊ばせないことで縮みストロークを確保しました。
同時に車高が上がってしまうため、少しでも下げるためにバネレートを上げました。
また、使用していたバンプラバーが乗り心地を損なわない長いタイプのものだったので短くカットしました。

このように縮みストロークを確保したおかげでドリフト状態の維持やクラッチ蹴りなどの急な旋回でもスピンしにくくなりました。
細かい微調整はサーキットで減衰調整の前後バランス、硬さを自分好みに決めることでよりやりやすい車にしていきました。
車高を下げていくと私の車の場合、マルチリンクなのでリアのキャンバー角が大きくなります。
リアキャンバーが大きくなると、タイヤの内側ばかり減るため、タイヤの無駄遣い、トラクション不足を招きます。

私はこれが嫌だったのでリアのアームをすべて調整式アームに交換し、キャンバー角が0度になるよう調整しました。
フロントのアライメントはステアリングを全切りしたときにアウト側のキャンバー角が0度になってほしかったのでFキャンバー角4度に調整しました。
トーはFトータルトー2mm、Rトータルトー0mmへ調整しました。

学ドリ2019 出場!!

岐阜大学自動車部は日光サーキットまで下道で行くため、前日から出発しました。距離は約450km、9時間半のロングドライブです。

岐阜大学から日光サーキットまでの道のり

岐阜大学から日光サーキットまでの道のり

しかしながら、車内はタイヤ8本、アルミジャッキ、工具などがぎっしり詰まっていたので全く快適ではありません。
そんな状態でも次の日に学ドリだと思うと全く眠くならず安心して日光へ到着しました。

車内にタイヤや工具類がぎっしり詰まっている様子

車内にタイヤや工具類がぎっしり詰まっている様子

翌朝、ゲートオープン前に日光サーキットへ到着するとそこは既に学ドリ参加者で溢れていました。
シルビアや180SX、チェイサー、ローレルなどそこにはもはや希少となったドリ車が大量に止まっており、車好きなら周りを観察するだけで興奮するような情景です。

車全体がボロボロなものや、ワイドフェンダーに太いタイヤを履いたいかにも速そうな車など様々なレベルの車が混在しており、この中で自分は走れるのだろうかととても不安になっていました。
その上、日光サーキットは実物を見るのが初めてなので、思ったより広くより不安になりました。

日光サーキットで主催の雑誌編集部に話しかけられている姿。(学ドリのために1日で某メーカーカラーにラッピングした)

日光サーキットで主催の雑誌編集部に話しかけられている姿。(学ドリのために1日で某メーカーカラーにラッピングした)

1日目は全体フリー走行と予選です。
全体フリー走行では名簿ごとに約15台ずつ行います。

予選前に走れるのは2回で正回りが10分、逆回りが10分です。日光サーキットは私が今まで走ったコースに比べてとても広く、ドリフトするのがとても気持ち良かったため、朝の不安は一瞬で吹き飛びやる気で満ち溢れてきました。

初心者から上級者までいろいろ混ざって走行していましたが、学生同士ということも相まって全員マナーよく走っており非常に走りやすかったです。
予選は上にも書いた通りパイロン卍ですが、予選の途中から雨が降ってきました。
自分たちは後半だったのでウェット路面での予選です。

私は新審査ポイントの進入は成功したのですが、最後の180度ターンで膨らんでしまい、壁に激突!そのせいで反対側のグラベルへリアタイヤを落とし、泥を巻き込みトラクションがかかりにくくなってしまいました。

退場がかっこ悪い、壁に激突とやらかしたため、予選は120人61位となってしまい予選敗退でした。
今回は40位までが予選通過だったので、ミスさえなければいけた可能性があると考えると悔しく思います。
しかし、2日目に敗者復活戦があるのでそこで気合を見せてやろう!と心に誓いました。

はじめてぶつけたので少しショック

はじめてぶつけたので少しショック

2日目はフリー走行より先に敗者復活戦が行われます。
即ち、ここを突破できなければ終わりということです。

敗者復活戦は1コーナー審査です。
審査員からは減速せずに突っ込み、ドリフトするくらいの気合を見せろ!と鼓舞され、私は初めての3速クラッチ蹴りに挑戦するしかない!と内心思っていました。

私の番になり、緊張で頭が働かないまま走り出します。
日光のホームストレートで思い切り加速し、3速で減速せずクラッチを蹴ります。
しかし!!フェイントが弱く、ドリフトに移行できずアンダーステアをだしてそのまま日光の壁に刺さりました。

インタークーラーの配管ホースが破れ、自走不可となりけん引され退場しました。
岐阜大学自動車部は残念ながらここで敗退となりました。

学ドリには大会終了後、恒例のイベントがあります。
それは「クレクレタイム」といって学ドリに協賛しているスポンサーから目立った学生に商品がもらえるというものです。

商品にはエアロやナックル、タイヤなど車に関係する高額なものが多数あります。
アピールの仕方は車に熱いメッセージを書いて、ドリフトするだけです。

熱いメッセージを伝えることが大事

熱いメッセージを伝えることが大事

私は敗者復活戦でバンパーを破壊したので、ここでエアロをもらえればよりかっこよく進化できる!と思い、現地で車を修理しました。

足りないものは他大学の学生数人が持ってきていた予備パーツを売ってもらいました。
他にも修理手伝ってくださった方や声をかけてくださった方がたくさんいて本当に助かりました。
「知らない人でも困っていたらみんなが助けてくれる」
こんな素晴らしいドリフト大会は学ドリでしかないと思います。

ここでの出会いを大切に、今度は自分が助ける側の人間になろうと思いました。
無事に走行が可能となった私はクレクレタイムで見事にBNsportsフロントバンパーをゲットすることができました。

クレクレタイムに復活参戦した時のマシン。

クレクレタイムに復活参戦した時のマシン。

念願のフロントバンパーをゲット!!

念願のフロントバンパーをゲット!!

日光サーキットゲート前にみんな集まって閉会式

日光サーキットゲート前にみんな集まって閉会式

学ドリは学生なら誰でも参加できる大会でありながら将来のD1ドライバーへの登竜門でもある非常に大きな大会です。
私は今年卒業なのでもう参加できませんが、もし来年出ることができる学年であれば必ず次も出場します。

私はもっと早くから出場しておけばよかったと後悔しています。
迷っている人がいるなら来年思い切って出場してみてはどうでしょうか。
二度と忘れないであろう最高の思い出が作れると思いますよ。

執筆:岐阜大学自動車部

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