こんにちは!
静岡大学自動車部の者です。
最近、中古の車高調整式サスペンション(以下車高調と呼ぶ)を買いました!
さっそく取り付けたのですが…
O/H(オーバーホール)が必要なコンデションのモノだったらしく乗り心地もさほど良くはなりませんでした。。。
そこで!新しい車高調を購入する決意をし、サスペンションについていろいろ知りたくなったので調べてみました。
なので今回は、サスペンションについて(特に車高調について)お話します。
この記事を読めば、数あるサスペンションの中から自分好みのサスペンションを見つけることが出来るハズです。
まず初めに、サスペンションは何のために存在するのかご存知でしょうか?
皆さんがよくご存じなのは地面からの振動を吸収して
“乗り心地をよくするためのもの“
と、いうことですが、その他にもコーナリング時などの走行性能や加減速の際にも役に立っています。
それではその仕組みや違い、車高調でできることについてみていきましょう。
下の写真は、実際に自分が中古で購入した車高調になります。
中古購入の車高調整サスペンション
サスペンションは基本的に
・ショックアブソーバー(内側の筒)
・スプリング(外側のバネ)
の、二つの部品にて構成されています。
スプリングは、主にコイルスプリングと呼ばれる渦巻き状の物が使われています。
その役割は、地面の振動の緩和と車輪を適度に地面に押しこむことで車自体の制動力や駆動力を生かしてくれます。
ショックアブソーバー(以下ダンパーと呼ぶ)は単筒式と複筒式の二種類ありその役割は、スプリングの振動を吸収してくれる役割を担っています。
単筒式はその名の通り一本の筒からできており、オイルの量を多くできて熱の放出性に優れているため、長時間のハードな運転に適応しています。
複筒式は筒が二本になっており、より長いストロークを確保できるため地面の凹凸に強く乗り心地もよくなります。
ちなみに車高調には、ねじ式と全長調整式の二種類あり、ねじ式は基本的に安価のものが多く購入しやすいのが利点になります。
また全長調整式は、車高を下げてもプリロードがかからないため、自由度が高くなっています。
大雑把にサスペンションの仕組みを説明すると、
・地面から受けた衝撃をスプリングが吸収
・スプリングの振動をダンパーが吸収
してくれるということです!
もしダンパーがなかった場合、一度揺れたら振動のおさまりが悪いため、止まりにくくなってしまい乗り心地が悪いのレベルではなくなってしますね。
また、スプリングがなかったとしたら地面の衝撃をもろに食らってしまいます。
二つが合わさることでより良い乗り心地や性能を発揮しているんです!
(写真A)純正サスペンション
(写真B)車高調サスペンション
写真Aが純正のサスペンション、写真Bが車高調になります。
見た目の違いでいうと、頭でっかちなほうが純正で比較的スマートなほうが車高調というイメージですね。
各サスペンションのメリットはというと、
~純正のサスペンションのメリット~
比較的様々な路面に対応していて、普段の乗り心地ももちろんのこと多少荒れた道に行っても心地よく乗ることができるようにセッティングされています。
車を街乗りで使っていて、乗り心地を第一優先に考える方は純正のサスペンションのままが一番無難です。
また、車高を下げたいだけならスプリングを変えるだけで下げることができて、車高調を購入するよりも低コストで済みます。
~車高調のメリット~
第一に、自分で車高を変えられるので“自分好みのスタイル”に変更できます。純正の車高では、ちょっと高くてかっこ悪いと思ったり、逆にもっと車高を高くしたいと考えたりしている方にオススメです。
第二に、減衰調整が、自分でできるので“自分好みの乗り心地”に変えられます。純正だとどうしても柔らかい乗り心地になってしまいます。
ですが車高調に変えることで、よりスポーティーな乗り心地にセッティングすることも可能になります。
第三に、より硬いスプリングを使うことでボディのロールが減るため“車の挙動が安定”します。わかりやすく説明すると、純正のサスペンションで交差点を曲がるときの横への動きが減り、クイックな動きができるようになるということになります。
最後に、車高調にはO/H(オーバーホール)可能なタイプもあります。万が一、ダメになってしまっても新品を購入するより安価で治すことができ一つのものをより長く使うことができます。
反対にデメリットを見てみましょう。
~純正のサスペンションのデメリット~
普段、街で乗る分には特に問題ありません!しかし、いざスポーツ走行をしようと考えたときに少し厳しいかもしれません。
なぜなら純正のサスペンションはとても柔らかく作られており、ピッチ方向及びロール方向の荷重変動が大きくなってしまいます。
またダウンサスにした場合は、ストローク量(ショックアブソーバーが上下に動ける長さの量)の低下により、ショックアブソーバーの寿命が縮んでしまう恐れがあります。
そして劣化してしまった場合、O/H(オーバーホール)できないので新しいものを購入しなければなりません。
~車高調のデメリット~
基本的にスプリングが固くなるので、普段の乗り心地は悪くなります。それと同時に、車体(特に足回りとボデイマウント付近)により負荷がかかってパーツの寿命も短くなります。
また交換することでアライメント調整が必要になります。その調整の費用であったり、そもそも車高調を購入する費用であったりなど“コスト”がかかる点もデメリットになります。
ここまで、サスペンションの仕組みと純正サスペンションと車高調の違いを見てきましたが、自分のスタイルに合ったサスペンションは見つかりましたでしょうか?
自分は、街乗りメイン!
でも硬めが好みで、たまにはサーキットを走るスポーティーなサスペンションにしたいと考えています。なので、複筒式の車高調を購入することにしました。
~各パーツの名称と役割~
まずは車高調の各パーツの名称と役割から見ていきましょう。
今回はストラット式で全長調整式のフロントのサスペンションを参考にします。
(写真C)車高調の上部分
A.減衰力調整ダイヤル
このパーツがついていない車高調もあります。写真Cだと上についていますが、ダンパーの下についているものもあります。
このパーツを回すことで減衰力を調整し、固さを決めることができます。
B.アッパーマウント
このパーツは、ダンパーと車体をつなぐものになります。
主に金属とゴムで構成されていて、ここのブッシュは一番ヘタリやすいパーツになっています。ストラット式の場合は路面からの入力をもろに受け、特にヘタリやすいので要注意。
C.スプリング
上記で説明した通り、地面からの衝撃を吸収する他に車輪を地面に押さえつける役割を担っています。
D.ピストンロッド
ダンパー内側のピストンで、ここに傷などが入ってしまうとオイル漏れを起こしてしまいます。
E.ブーツ
ピストンロッドに小傷など入らないように守る役割を果たしています。
F.スプリングシート、ロックシート
上部がスプリングシートで、下部がロックシートになります。
スプリングシートで車高を調整し、ロックシートでロックする形になります。
G.ブラケットロックシート
全長調整式の車高調にのみ存在します。
ここの部分を緩めることで車高を変ることができます。
(写真D)車高調の下部分
早速、車高調で遊んでみましょう!
~まずは車高を下げてみよう~
作業自体は簡単で全長調整式の車高調の場合、まずは写真DのG.のブラケットロックシートを車高調レンチにて緩めます。
次に、ダンパーをもって回します。ねじの締めるほうに方向に回すと下がり、緩める方向に回すと上がります。
車高調をいじるときはしっかりと馬をかませましょう。
また車高を極端に下げた状態で減衰を柔らかくしてしまうと、ダンパーの底付きを起こしてしまい寿命が縮んでしまうので、車高を下げた場合は減衰も硬めに設定するのが良いでしょう。
~なぜ車高を下げるのか~
車高を下げることにより、重心が下がるため動きがクイックになり走行性能が上がります。ただし下げすぎると、ダンパーの底付きやタイヤとフェンダーが干渉したり、逆にロールが増してしまったりする場合があります。
さらには、最低地上高が9センチ以下になってしまうと車検に通らなくなります。つまり下げ過ぎには注意が必要です。いろいろいじってみて、自分の車に最適な高さを探してみましょう!
~なぜキャンバー角をつけるのか~
そもそもキャンバー角とは何かご存知でしょうか。キャンバー角とは車を、真正面から見た際のタイヤの角度になります。いわゆる“ハの字”状態で、タイヤ上部が内側に傾いている状態がネガティブキャンバーです。
特に傾いているものは、鬼キャンなどとも呼ばれていますね。
逆に外側に傾いているものは、ポジティブキャンバーなどと呼ばれています。
ハの字になっている、ネガティブキャンバー
果たして、なぜこの角度をつけるのでしょうか。
物は試しと思いネガティブキャンバーにしてみました!
ノーマル状態のタイヤとホイール
軽いネガティブに変更後
左の写真が元の状態で、右の写真が変更後になります。
うーん、あまりよくわからないですね。。
車高調を装着している場合、このキャンバー角度のつけ方は簡単です。
まず車をジャッキアップし、アッパーマウント上部にある四本のボルト(写真E参照)を緩めます。その状態で、ホイールもしくはタイヤをもって押し込むだけです。
アッパーマウントの中心部分が内側に傾いたらボルトを締めて終わりになります。このボルトは、とてもねじ切りしやすいので注意しましょう!
写真Eが調整時のアッパーマウントになります。
(写真E)右に傾くほどネガティブキャンバーになります
キャンバー角はなぜつけるのか!
それは、サーキットなどでのコーナリング時にはロールにより外側の足回りが撓んでポジティブキャンバーの形になってしまうので、それを防ぐために角度をつけます。
さらには接地面積が増えるので、グリップ力がアップします。他には、普段街で乗る分には接地面積が減り、摩擦が減るのでステアリング操作が軽くなります。現に、画像のように少し変えただけで、劇的な変化で軽くなりました。
人にもよりますが、ドレスアップとしても角度をつけたりします。
反対にデメリットはというと、直進の安定性が下がりわだちなどにハンドルがとられやすくなります。
なのでスタッドレスタイヤ装着状態で雪道を走る場合は、キャンバー角をつけない状態のほうが無難であるといえるでしょう。他にも、街でしか乗らない場合はタイヤが偏摩耗してしまうということが挙げられます。
あとは、あまりタイヤやホイールをフェンダーから出しすぎると不正改造として法律に違反してしまったり、ハブベアリングを始めとする足回りの劣化を促すことになったりするので注意が必要です。
自分に合ったサスペンションは、見つかりましたでしょうか?
純正がいい!
スポーティーなものがいい♪
乗り心地を優先したい!
ハンドル操作が楽になるものがいい!
かっこいいものがいい!
などなど… 人それぞれ目指すものや求めるものは異なります。
この記事を読んで、自分好みのものが見つかりましたらぜひ試してみてください。
あなたのカーライフがより楽しくなること間違いなしです!
(執筆:静岡大学自動車部)