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いろいろなモータースポーツ~モースポフェス2019SUZUKAより~

こんにちは、岐阜大学自動車部です。今回は2019年3月2日(土)、3日(日)に鈴鹿サーキットで行われたモースポフェス2019SUZUKA(モータースポーツファン感謝デー)に参加してきましたので、展示車の説明をふまえつつ、いろいろなモータースポーツについて、代表的なものを4つ紹介していきたいと思います。

【鈴鹿サーキット】

図1 鈴鹿サーキット入り口

図1 鈴鹿サーキット入り口

まず、いろいろなモータースポーツの紹介に入る前に「鈴鹿サーキット」の歴史について軽く説明します。

「鈴鹿サーキット」とは、1962年に本田技研工業によって三重県鈴鹿市に建設された国際レーシングコースのことを言います。1959年末に当時の社長である本田宗一郎から発せられた「俺はレースをやるところが欲しいんだ。クルマはレースをやらなくては良くならない。」という言葉が、日本初の本格的なロードサーキット(=鈴鹿サーキット)の誕生の源となりました。

鈴鹿サーキットができる前は、浅間高原で浅間火山レースが開催されており、二輪車メーカーのテストの場として建設され、資金不足で舗装ができずダートコースで運営されていました。しかし、高速・高性能車の開発、ライダーと観客の安全性の問題などがあり、1959年を最後に浅間火山レースは打ち切りになりました。

そこで本田は、来たるべき高速時代に対応したクルマづくりと、安全な高速走行ができるレース場をつくるという考えを固め、「鈴鹿サーキット」の建設へとつながっていきました。現在、鈴鹿サーキットでは、F1、二輪ワールドGP、8時間耐久レースなどの世界選手権シリーズが開催されるなど世界的なレース場となり、『世界のスズカ』と言われるほどの地位にまで成長しました。

以上が非常に簡潔ですが、「鈴鹿サーキット」の歴史についての説明でした。では、ここからはいろいろなモータースポーツの紹介とモースポフェスの報告をしていきたいと思います。

【Formula 1】

モータースポーツと言われて1番最初に思い出すものと言えば、Formula 1、いわゆるF1と言っても過言ではないでしょう。モータースポーツを全く知らない人でもF1という言葉は聞いたことがあると思います。ここでは、モースポフェスに展示してあった車体を中心に簡潔に説明していきます。

Formula 1(フォーミュラとはすべての関係者及びマシンに求められる一連の規則を意味し、もともとはフォーミュラAとして知られていた)のルーツはモーターレーシングが始まった初期までさかのぼり、ヨーロッパのレーシングシーンから誕生しました。1950年にイギリスのシルバーストンサーキットで初めての世界選手権が行われました。

現在F1レースは、世界各地で行われる年間レースとなっています。全世界の21か国を巡って、全21レースが行われます。モナコで行われるF1モナコGPは世界三大レースの1つに数えられています。70年目となる2019年は、第3戦中国GPで記念すべき1000グランプリを迎えます。

F1は年間ポイントを争う形式で競います。1レースでもらえるポイントは、1位25ポイント、2位18ポイント、3位15ポイント、4位12ポイント、5位10ポイント、6位8ポイント、7位6ポイント、8位4ポイント、9位2ポイント、10位1ポイントとなっています。この配分で全21レース行い、総ポイントで年間成績を競うスポーツです。

ここで一般的にレースの状況として想像するのが多くの車がスタートを切って、大混雑の中レースが始まるという景色でしょう。しかし、その景色は決勝レースのみです。

実際F1は3部構成になっており、第1部はフリー走行、第2部は予選、第3部は決勝となっています。フリー走行はマシンの調子をみるためのテスト走行です。予選はタイムアタック形式で、Q1、Q2、Q3と15分ずつの3回に分かれており、このタイムの成績順でQ3までに10人まで削り、その成績順で決勝レースの出発順となります。以上が簡単なF1の説明です。

ここで、実際に展示してあった車体を紹介します。

図2 RedBull RB15×Honda

図2 RedBull RB15×Honda

まず、図2の写真の車体についてですが、今年トロロッソに加えて新たにパワーユニット(PU)を供給するようになったレッドブルの車体であるRB15です。もともとレットブルは2010年から4年間、ダブルタイトルをとり続けてきた実績のあるチームであり、F1界で注目のあつまる車体の1つです。2019年のカラーリングで登場し、今年はどのような成績が残せるか大注目です!

図3 Toro Rosso STR14

図3 Toro Rosso STR14

次に、図3の写真の車体についてですが、2018年にマクラーレンに代わってPUの供給を開始したトロロッソの車体であるSTR14です。

レッドブルとトロロッソは、イギリスにあるレッドブルテクノロジーと技術提携し、PUに合わせたギアボックスをはじめとしたリアエンド(車体後部)を製造しています。昨年までは、レッドブルはルノーのPUを使用していましたが、今年からは両チームともホンダを使用することで、トロロッソは多くのパーツをレッドブルと共用できるようになります。

ホンダPUで戦う2シーズン目のトロロッソのSTR14、レッドブルとの相乗効果に期待が高まります!

【WRC(FIA 世界ラリー選手権)】

2019年のWRC(世界ラリー選手権)は、1月のラリー・モンテカルロで開幕しました。昨年までとの大きな違いは、新たに南米のチリが加わり、1戦増えて全14戦となったことです。

また、WRC日本ラウンド招致準備委員会が2018年8月22日にJAF(日本自動車連盟)を通じて、FIA(国際自動車連盟)に対して2019年WRC日本開催のカレンダー申請を行ったことが発表されました。開催地は愛知県と岐阜県としており、FIAの承認が得られるとWRCが日本で開催されることになります。しかし、残念ながら2019年はWRC開催地カレンダー入りすることができませんでした。

ところが、つい最近のニュースで2020年にWRCが愛知県、岐阜県両県で開かれる見通しとなったという発表がありました。メイン会場は愛・地球博記念公園(愛知県長久手市)とし、愛知県豊田市や新城市、岐阜県中津川市など両県の公道や山間地をコースとする構想を描いており、具体的な日程などはまた後日発表となりました。

2019年のWRCに出場するメーカーチームは、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム、ヒュンダイ・シェルモービスワールドラリーチーム、Mスポーツ・フォードワールドラリーチーム、シトロエン・トタルワールドラリーチームの4チームです。

図4,5の写真はTOYOTAのYarisの車体です。ヴィッツの欧州名であるヤリスをベースにWRC用の車体に改造したものです。

図4 TOYOTA Yaris WRC (前)

図4 TOYOTA Yaris WRC (前)

図5 TOYOTA Yaris WRC (後)

図5 TOYOTA Yaris WRC (後)

2020年には日本でWRCが開催されるため、この車体が日本の公道走ることになるかもしれません!

【WEC(FIA 世界耐久選手権)】

WECとは、FIA世界耐久選手権(FIA World Endurance Championship)の略称で、世界三大レースの一つとされる「ル・マン24時間レース」を含む耐久レースの世界選手権です。その歴史は、1953年から始まった世界スポーツカー選手権が起源で、名称やレギュレーションなどを変更しながら、1992年まで開催されていました。

そして、2012年に復活し、今年で7シーズン目を迎えます。復活初年度から、静岡県の富士スピードウェイでシーズン戦が開催されており、日本のファンにもなじみの深い選手権だと言ってもよいと思います。

WECの中にはいくつかのマシンカテゴリーがあり、おもに総合優勝を争うチームのプロトタイプカーであるLMP1、プライベーターが使用するプロトタイプカーであるLMP2、市販されている2ドアまたは2+2のクローズドまたはオープンのGTカーを使用するLMGTE Pro、基本的にはProのマシンと同様ですが、一年前の車両または車両規則に沿ったマシンを使用するLMGTE Amの4種類があります。

図6の写真の車体はLMP1のエネルギー回生システムを装備するハイブリッドシステムを搭載したLMP1-Hクラスの車体です。2018年のル・マン24時間レースでトヨタはマツダ以来、日本車として27年ぶりに優勝し、そのときに実際に走っていた車体でもあります。

図6 LMP1-H TOYOTA TS050-HYBRID

図6 LMP1-H TOYOTA TS050-HYBRID

24時間レースのため、最後まで誰が覇者となるかわからず、常にコースのどこかでアクションが起きていることがWECの魅力のひとつであるため、注意深く見れば見るほど面白さがつわってくるレースです。

【インディ500】

インディ500とは、アメリカのインディアナポリス・モーター・スピードウェイで開催されるレースイベントのことで、正式名称はインディアナポリス500マイルレースと言います。これはアメリカ最大のモータースポーツイベントであり、さきほどのル・マン24時間レースと同様に、世界三大レースの1つに数えられています。1911年に第1回が開催され、100年を超える歴史を持ったレースとなっています。

レースは1周2.5マイル(約4km)の角を丸くした長方形状のオーバルコースを200周、計500マイル(約800km)を走行して競われます。平均時速は250km/hを超え、このコースを全コーナー全開で走れるのはインディカーだけです。注目度、開催日数、賞金額、その他すべてが別格であり、普段インディカーに興味のない人でもインディ500は見るほどのビックイベントであるため、インディ500の1勝はシリーズ王者と同じくらいの価値があると言われています。

日本人ドライバーでは1991年のヒロ松下が参戦して以来、多くのドライバーが参戦しており、高木虎之介と松浦孝亮がルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得しました。そして、2017年には佐藤琢磨が日本人初となる優勝を達成しました!その時の車体が図7の写真の車体であるHONDAのDALLARA DW12です。

図7 DALLARA DW12 HONDA (前)

図7 DALLARA DW12 HONDA (前)

図8 DALLARA DW12 HONDA (後)

図8 DALLARA DW12 HONDA (後)

2019年インディカー・シリーズは、タイトルスポンサーにNTTグループのグローバル持株会社がつき、正式には“NTTインディカー・シリーズ”と呼ばれるようになりました。インディ500を含む全17戦をNTTが支えることで、日本のファンにもより親しみやすくなったため、今から見ても楽しめるレースになっています。

以上、代表的なモータースポーツを4つ紹介してきましたが、ほかにもたくさんのレースの自動車が展示してありましたので、一挙に紹介していきます。

①SUPER GT500

図9 GT-R

図9 GT-R

図10 LC500

図10 LC500

図11 NSX

図11 NSX

SUPER GT500は2019年もNSX、LC500、GT-Rという3車種で、NSXが王者を防衛するのか、昨年惜しくも逃したタイトルをLC500が奪取するのか、そして2018年シーズンに苦戦を強いられたGT-R勢が逆襲するのかなど混戦必死の戦いに注目です!

②SUPER GT300

図12  SUBARU BRZ

図12 SUBARU BRZ

図13 メルセデスAMG

図13 メルセデスAMG

SUPER GT300は多彩な車が多数参戦しており、GT500以上の混戦が予想されている、見どころ満載なレースになっています。このイベントではGT500とGT300のフリー走行の時間があり、実際に走る姿もみることができました。

③ダカールラリー

2019年のモータポフェスには、日野自動車が初めて出展し、日野レンジャーダカールラリー2018参戦車が展示してありました。プロのデモンストレーション走行を愉しめたり、乗車体験を行うことができ、鈴鹿サーキットではなかなかみることができなかったダカールラリーの参戦車両ということもあり、とても注目を集めていました。

図14 日野レンジャーダカールラリー2018参戦者

図14 日野レンジャーダカールラリー2018参戦者

このほかにもたくさんの展示してある車があり、とても楽しいイベントとなっていました。このイベントは1988年より実施され、例年3月に行われています。この記事を読んで興味がわいた方は、いろいろなレースを一挙に楽しめるものとなっているので、実際に行ってみてはいかがでしょうか。最後まで読んでくださりありがとうございました。

(執筆:岐阜大学自動車部)

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