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放置車両を撤去するには(廃車処分の歴史 ~廃車の逆有償時代とは~)

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放置車両を撤去するには(廃車処分の歴史 ~廃車の逆有償時代とは~)

鉄素材相場が2015年夏頃から急激に下落しています。2015年冬には下落幅は40%にもなり2008年のリーマンショックによるパニック素材相場の下落時に近い金額まで下がっております。また、金やプラチナの貴金属素材相場に銅やアルミニウム等の非鉄素材も下落しており、2016年も弱い相場が続くと予想され、このままでは1998年頃から2003年頃まで続いた廃車引取り時の逆有償と言う現象に至る可能性があります。逆有償と言うのは、実質的には廃車処分費用が発生すると言う事です。
そうなると、社会的な問題として「放置車両」が多くなる傾向がございます。どうして高額な価格で買い求めた愛車を放置して権利を放棄するのか?

放置車両に至る原因と、廃車処理費用の歴史、また放置車両の撤去方法に触れてゆきます。

河川に放置された状態の、路線バス

河川に放置された状態の、路線バス

土地の管理者は泣き寝入りするしか無いのか?

土地の管理者は泣き寝入りするしか無いのか?

そもそも、廃車リサイクルの歴史を顧みてみると、1970年に成立した“廃棄物の処理及び清掃に関する法律”(以下、廃掃法)によると、金属くずは廃棄物であるが「専ら再生利用の目的となる物のみを業として行う」と言う“もっぱら物例外条項”を規定した。つまり、有価で取引された廃車は“もっぱら物”として再利用されるので廃棄物では無いと言う解釈で始まったのである。

しかし自動車には適正に処分しなくてはならない、廃油、廃燃料、廃バッテリー、廃タイヤに、エアコン冷媒ガスであるフロン類等々に加えて、金属くずを回収した後に残る、ASR(Automobile Shredder Residue:自動車シュレッダーダスト)(以下、ASR)が発生し、その処分方法は埋立てがメインで、その埋立てには処分費用が発生します。鉄素材が高額な時には、その埋立て費用が捻出されていたのですが、そんな時代背景の最中に、「豊島ASR不法投棄事件」が起こりました。豊島事件と呼ばれる廃車リサイクル業者の間では知らないものが居ないと言われるその事件は、1990年11月に豊島総合観光開発㈱が兵庫県警に廃棄物処理法違反で摘発された事から事態が大きく動きました。ミミズの養殖をするとかASRをリサイクルさせると偽りASRを中心に推定50万トンから100万トンと言われるゴミを瀬戸内海の小さな島に埋立てをしたのです。豊島事件は1991年7月に有罪が確定しましたが、既に業者には埋立てたASRを回収する能力も資金もありませんでした。ちなみに2015年現在でも豊島の隣島の直島の処分施設でサーマルリサイクル(Thermal Recycle:熱回収)と言う形で、焼却処分され続けています。

その豊島事件を受けて、国は1995年3月に廃掃法の“もっぱら物”の解釈から自動車(廃車)を除外する通達をだした後に、“逆有償の廃車はASRの埋立てを従来の「安定型処分場」での処理からより厳格な管理が必要で埋立て費用も高額な「管理型処分場」での処理を1996年4月から義務付けた。そして1997年通産省(現;経産省)から、「使用済み自動車リサイクル・イニシアティブ」が策定され“マニフェスト管理票”(複写式用紙、現在のようにE票は無く、D票までのタイプ)を、有価取引された廃車でも使用するように自動車メーカー系の販売店に指導しました。

その様な時代背景の最中、鉄素材相場は下落を続けていました。1998年後期から2002年前期頃までは当時50年ぶりの安値圏内を記す一方で、件の安定型処分場でのASR処分が義務付けられた事により処分費用がハネ上がる事となりました。つまり鉄くずの販売価格は下がったのに、ゴミの処分費は上がると言う二重苦状態の中でついに、1998年6月よりシュレッダー業者は廃車ガラの逆有償に踏み切ったのです。その前後から自動車解体業者でも、廃車引取りを逆有償による処分費用を廃車の排出事業者に請求するようになって行きました。都市部でも数千円、過疎部の運搬経費が大きくなる地域では1万円以上の処分費用を請求するようになりました。これを受けて、メーカー系の販社では一般エンドユーザーから数件円の廃車費用を徴収するようになり、力の弱い街角の中古車販売店や整備業者も廃車費用を数万円請求するようになってゆきました。

さらに悪い時代は続くもので2000年に発覚したのが、福井県敦賀市にて管理型処分場を運営していたキンキクリーンセンター(株)と言う企業が、埋立て能力9万立方メートルに対して、119万立方メートルを埋立てていて違法に埋立ていた量は110万立方メートルもの無許可操業1996年から2000年まで実施しており、処分場からの浸出液が近隣河川に漏出する事例が起きました。業界で言う所の「2000年のキンキショック」です。この事件により元々、管理型の処分場が不足していて高額処分費用が発生していたのに、さらにASR処分費用が高騰する事に拍車をかけました。ちなみに2015年現在でも福井県8割敦賀市2割の負担で、漏出水対策工事を実施しており2025年までの工事予定が為されている。またキンキクリーンセンターに搬入した業者や組合に自治体に対して費用負担を求める裁判も起きています。

自治体からの要請で撤去される放置車両

自治体からの要請で撤去される放置車両

逆有償時代には、数多くの放置車両が発生した

逆有償時代には、数多くの放置車両が発生した

鉄くず相場の下落と、豊島事件、キンキショックを受けて、マイナス相場の連鎖となり廃車費用のマイナス価格の定常化から高額化してゆく中で、自動車エンドユーザーが廃車引取り費用の負担を嫌って不法投棄となる放置車両が街角に多くなってゆきました。またエンドユーザーは自動車販売業者に処分費用を支払ったにも係らず、自動車販売業者が故意に不法投棄したり、悪質な業者の中には使用者の特定を防ぐ為にナンバープレートの取外しや車台番号の削り取り等したりする業者も多数存在しました。

悪質な放置車両はナンバープレート取外し+車台番号を削り、所有者の特定を困難な状態にした

悪質な放置車両はナンバープレート取外し+車台番号を削り、所有者の特定を困難な状態にした

つまり【鉄素材市況が下落する ⇒ マイナス廃車費用が発生する ⇒ 放置車両が増加する】と言う事です。もっとも、廃棄自動車のそのような歴史を受けて2002年に“使用済自動車の再資源化等に関する法律”(通称:自動車リサイクル法)(以下、自リ法)が公布されましたので、鉄くず市況の下落で即、逆有償化とはなりにくい環境です。その自リ法では法第121条に“使用済自動車、解体自動車は廃棄物とみなし廃棄物処理法の規定を適用する”として、自リ法での引取業とフロン類回収業者は行政に登録、解体業と破砕業は行政からの許可を得ないと操業出来ない、許可業者制を取り入れられました。そして自リ法は2005年1月に完全施行されて現在に至るのです。その自リ法では処分費用をエンドユーザーが前払いする自動車リサイクル料金を利用し、自動車メーカーにSRSエアバック類、フロン類、そしてASR自動車シュレッダーダストの引取を課した。この制度によりASRの不法な処分は、ほぼ皆無となりました。

さらに鉄素材市場が2004年ごろから上がり始めて2008年には史上最高額をマークする程の盛況となりました。2006年から2008年にかけては、道路脇の鉄製の側溝ふたの盗難等の金属盗難が相次ぐ事態も多発しもちろん街角に廃棄されていた放置車両も、自リ法を無視した不法操業をする業者が闇にまぎれてこっそりと回収していました。筆者も1990年代から行政の委託を受けて不法廃棄車両の撤去を委託されてきましたが、この2008年の実績はゼロ台と言う有様で回収候補に挙がった放置車両も撤去を促す張り紙が掲示されると人知れず、その車両が無くなって行ったものです。廃車処分の歴史には、有償から逆有償、そして有償へ至り自動車リサイクル法の施行と言う紆余曲折があったのです。

路上放置車両、逆有償時代には多く発生した

路上放置車両、逆有償時代には多く発生した

様々な事由で放置された車両

様々な事由で放置された車両

さてタイトルに関しまして、“放置車両の撤去”の方法です。大きく分けて二通りのパターンがあります。まず、1つ目が「公の管理土地に放置してあり行政が廃棄処分する」パターンと、2つ目が「民の土地に放置してあり地主が廃棄処分する」パターンです。また特例措置として行政代執行を受けられる可能性も低いですがあります。行政の廃棄車両撤去については、大阪府が平成16年に施行した「大阪府放置自動車の適正な処理に関する条例」がありますが、他の行政でも同様に近い条例があるでしょう。
具体的にはどうするのか?廃棄物として行政が認定をして放置してあるゴミとして撤去をするようです。もちろん廃棄物と認定する前に警察への照会程度は実施する様ですし、行政によっては使用者や所有者に撤去を促す行為もするようです。また警察による「放置車両確認標章」の貼付が行なわれると、使用者のみならず所有者にも違反金の納付が発生するケースもあります。

問題なのは2つ目のパターン「民の土地に放置してあり地主が廃棄処分する」“私有地”に放置されてしまった車両の撤去です。自動車は登録制をひかれた“動産物”なので、必ず所有者と使用者が存在していますので、所有者の承諾を得ること無く放置車両を撤去する訳には行かないのです。また警察に訴えても、民事不介入を理由に積極的には動いてくれません。おかしいですよね?被害を受けたのは、車両を放置された土地の管理者なのに救済措置はありません。しかし方法が無い訳ではありません。

~手順1~
警察への照会を実施します。照会する際に、自動車の登録番号(ナンバープレートの番号)を全て伝えて下さい。またいつ頃から放置されているか?車両の色、名称、特徴も伝えましょう。その際のポイントとして、盗難車やひき逃げ事件等々の事件に係った車かもしれないので、私有地に放置してある事が怖い!などと、困っている事をアピールしましょう。車両がカーテンやフィルム等の目隠しで内部が確認出来ないなら、その点を強く訴えて下さい。車のナンバープレートが取り外されている場合も同様の訴えをすると、警察は、市民の生活安全確保の為に、放置車両のボンネットを何らかの方法で開けて車台番号を調べてくれることがあります。
ナンバーの番号や、車台番号が判明すると警察は陸運局に問合せを実施して、車の所有者に放置された自動車の移動をするように連絡してくれます。ただし、連絡するだけです。その後のことに関しては、民事不介入の原則からそれ以上のことはしてくれません。ただ、本当に事件に係る車ならば、警察が車両を引き取ってくれることもあります。ここでのポイントは、所有者に対するアピールと、放置された事実及び日付を警察が記録してくれる事にあります。

民有地にて、警告書を張り付けられた放置車両

民有地にて、警告書を張り付けられた放置車両

大型スーパー屋上駐車場に放置された車

大型スーパー屋上駐車場に放置された車

~手順2~
警告文を作成し、自動車のフロントガラス等の車体の2面から4面以上に貼付しましょう。警告文貼付には“すぐに車を撤去して欲しい”という意志を明確にすると共に、いつから放置されていたかの証拠作りでもあります。
警告書の文例として…

警告書
この車両(ナンバー及び、メーカー名・車名等を記入)の、所有者及び使用者に、下記のとおり警告致します。
此処は、株式会社○○○○○○○が、所有(又は管理)している土地です。
貴殿は少なくとも平成○○年○○月○○日より、無断駐車しています。
引き続き駐車している場合は、警察に連絡致します。
また、平成○○年○○月○○日までに、何の連絡もいただけない場合は、 車両撤去・車両処分を致します。
その際に発生した処分費用及び無断駐車料金を、請求致します。

上記に加え、土地の管理者の屋号もしくは名前、住所、担当者名、電話番号、対応可能時間等を明記しましょう。そして警告文を貼った状態で、写真を撮影して証拠として保管しましょう。可能であれば第三者(警察官等が望ましい)立会で貼付をすればより良いです。

~手順3~
(普通車の場合)
陸運局にて、「現在登録事項等証明書」を取得しましょう。現在登録事項証明書には、その自動車の所有者及び使用者の氏名及び住所が記載されています。取得には申請者の本人確認と取得理由を必要とする他、登録番号(ナンバープレートの番号)と車台番号を記載する必要があります。ナンバーが無い場合でも車台番号の全桁を記入すれば取得が可能です。またナンバープレートはあるがボンネットやドアが開かず車台番号が確認出来ない場合は、
“放置車両の所在地の地図と、その駐車場又は土地のどこに停まっているかの位置図、配置図”
“放置車両のナンバープレートを確認出来る車両全体写真と周辺の写真を数枚”
“申請者の身分証明書の写し(免許書等)”
“駐車場所の住所、放置日数、依頼者の氏名・住所・電話番号を所定用紙に記載したもの”
で申請が可能となります。

(軽自動車の場合)
軽自動車検査協会にて「検査ファイル閲覧願い出」を申請して調べましょう。弁護士ならば要件を満たす事で閲覧結果を印刷物で取得できますが、一般人の場合は閲覧のみです。従い閲覧申請し閲覧者自身が記載事項を控える必要があります。必要書類として
“検査ファイル閲覧願い出”
“閲覧希望車両のナンバープレートもしくは車台番号を含む放置状態の画像を印刷したものを数枚”
“放置車両の所在地の地図と、その駐車場又は土地のどこに停まっているかの位置図、配置図”
“放置車両がある場所の、登記簿謄本もしくは賃貸契約の写し”
“登記簿謄本上の所有者もしくは賃貸契約を締結している者との閲覧者の関係(社員証・名刺等)”
“閲覧者本人の身分証明(免許証等)”

~手順4~
手順3にて確認した住所氏名をもとに所有者使用者の連絡先を、NTTの番号案内サービス104番等々で電話番号を調べて、車検証の所有者もしくは使用者に撤去をお願いする。運が良ければ電話のみで確認が取れて撤去してくれる事があります。またクレジットローン会社やリース会社等に所有権留保されている車輌に関しては、使用者の意向に係らず、所有者権限にて放置車両を撤去してもらえることがあります。
電話にて、所有者と連絡が取れない、もしくは不誠実な対応だった場合は、「配達証明付の内容証明郵便」を所有者に送付しましょう。内容証明は複写式になっており、1部は送付者本人が、1部は送付手続きをした郵便局が、1部は送付先へ届けられるので、所有者に連絡を取ったという証拠になりますし、期日を決めて撤去を迫る事で所有者に心理的な圧力を加える事が目的です。
内容証明郵便の文例として…

通 知 書
貴殿が所有者となっている後記表示自動車につきまして、後経緯のとおり 弊社が管理している駐車場において無断放置を継続しております。
つきましては、所有者責任に基づき、
平成○○年○○月○○日午後○時までに
撤去してください。
上記日時までに撤去なき場合は、車両及び車内の荷物に対しての 所有権を放棄したものとみなし、弊社にて撤去・解体処分すること、 そして、それに関わる費用は、車両及び車内の荷物の対価と相殺されること 相殺した対価が撤去費用を上回った場合の費用請求をすることに、 何ら異義なく同意したものとみなしますことを、あらかじめご承知おき下さい。

一、車 種     (メーカー・通称名)
二、登録ナンバー  ○○○○○○○○○ (もしくは、車台番号等)
(経緯)
(一)平成○○年○○月○○日 (警察に届けた日)
平成○○年○○月○○日より無断駐車中。
不審に思ったため警察に通報したところ盗難車ではないとのこと。
(二)平成○○年○○月○○日 (登録事項等の取得日)
自動車登録事項を確認するため、中部運輸局○○運輸支局へ行って
自動車検査証の現在登録事項等証明書を取得する。
名義内容を確認すると所有者は、 「○○○○○○○」 となっている。
(三)それ以降現在に至るまで
○○○○氏(所有者)と連絡を取り、車を取りに来るよう再三催促したが
一向に取りにくる様子がない。
以上

ポイントは、必ず“配達証明付”で送付して下さい。これは、送付先が受け取っていないと主張する事を避ける為でもあります。また郵便局のサービスには、電子内容証明サービスと言うインターネットを使用した送付サービスがあるようです。また貸駐車場等の場合や店舗駐車場の場合には駐車料金の請求を内容証明郵便に記載する事も忘れてはいけませんね。

~手順5~
(内容証明への返信有りの場合)
所有者から連絡があり、所有者が車両を引取りする事になった場合には、日付を確定させて放置車両を撤去してもらいましょう。また所有者から連絡があったが所有者側での撤去ではなく土地の管理者による車の撤去をする承諾を得られた場合には、可能ならば抹消廃車手続きが可能になるように、印鑑証明や委任状・譲渡書等を取り付ける事が良いですが、無理な場合でも必ず念書や撤去同意書等を取り付けて下さい。

(内容証明を受取したが返信が無い・内容証明の受取を拒否された・該当者なしで内容証明が戻ってきた場合)
内容証明が配達証明にて受取を確認出来たが返信ない場合には、所有者が撤去に承諾したものとみなす事ができなくはありません。また内容証明郵便の送付先から、所有者本人が転居した際に郵便局への転居届けをしていない、もしくは月日が経過している場合や、本人が受け取り拒否をした場合には「簡易裁判所への提訴」を実施しましょう。放置場所を管轄する簡易裁判所に所有者不明・所在不明の所有者を相手方として「妨害排除請求訴訟」「損害賠償訴訟」を行い、被告(所有者)欠席の「欠席裁判」もしく、「公示送達」の手続き等を実施します。この手続きをご自身で行うのは手続きが煩雑であるので、自治体等が実施している“無料法律相談”等を利用して弁護士と共に進めるのが良いでしょう。裁判で勝訴すれば放置された自動車の差押えや、競売等の措置を経て強制執行を執行官が“無価値”と宣言し“無価値物”である放置された車両の処分を債権者に委ねる事になりますので、ようやく撤去する事が出来るのです。
もし裁判までは面倒だとお考えの場合でも、内容証明が送付されたが返信が無い場合や、内容証明送付先に該当者なしの場合、内容証明送付先が無かった等の場合には、車の所有権が放棄されたものとみなし、「民法239条(無主物の先占)」として、土地所有者が放置された車の所有権を取得したこととして車の撤去・廃棄処分をすることができる… と言う考え方も可能です。
弁護士や調査会社が、放置車両の所有者に連絡すると、プレッシャーを感じて撤去に同意してくれたりしますし、連絡先が不明な場合でも、弁護士に委託した場合は、携帯電話等の請求書送付先などを調べてくれて連絡が可能になるケースもございます。

~手順6~
車内の残存物をリスト化しましょう。リストを作成する意義として、放置車両を撤去した後で所有者から「車の中に高価な物品があったので弁償してくれ」等々のクレームに対応する意味合いからです。大まかで良いので車内に残された荷物リストを作成します。また、車内荷物の写真も撮影しておきましょう。もちろん車両の外観及びトランク・ダシュボード内等を含めた内観画像や放置された状態の全体、警告書の日付が分かる状態での車両写真、車台のキズやへこみ等の損傷部分の画像に、車検ステッカー等の画像も撮影しておきましょう。それらの画像や残存物リストに加え、放置車両撤去の経緯書を作成しましょう。経緯の記録には、客観的な車の状態や価値、放置車両の処分に至った経緯を記すと良いでしょう。

第三者立会依頼で警察官立会の撤去風景

第三者立会依頼で警察官立会の撤去風景

民間の貸駐車場に放置された車

民間の貸駐車場に放置された車

~手順7~
車両の撤去処分を行います。望ましいのは第三者の立会いです。弁護士や警察官が望ましいですが、撤去を依頼したレッカー業者に第三者立会書等にサインをもらう方法でも可能です。車両状態と車内残存物の確認を、土地の管理者と放置した本人以外の第三者と言う意味合いです。これらの、残存物のリスト作成や経緯書の作成や画像撮影は、すべてリスク管理の為です。特に裁判に至らず、「民法239条(無主物の先占)」を利用して放置車両を撤去する場合には、車が捨てられた状態であった事の記録が有効です。もし撤去後に所有者が現れたとしても、放置された車が、査定ゼロ円であったり、中古車として多少の価格が査定される車であったりしても、その車が捨てられた事が客観的に証明できるからです。そして現れた所有者には、迷惑料の請求に加え、これまで放置車両撤去に発生した費用及び、その地域の標準的な駐車料金の2~3倍の駐車料金を請求しましょう。過去の訴訟事例ではその程度までの支払請求が通っています。また「車の中に高価な物品があったので弁償してくれ」と言いがかりをつけられた場合でも、その高価な物品が車内にあった事の証明は、車の放置した使用者側にあります。車内残存物リストの作成を告げ、そのような貴重品はなかったと伝えて対抗しましょう。

~最後に~
自動車は「動産物」で所有者が陸運局にて所有者登録されています。しかし一方で名義変更をしないままの転売や盗難、夜逃げ等の自己破産による名義変更や廃車抹消手続きの出来ない車等が、廃車に係る処分費用が支払えない等の理由で、その車両を放置してゆきます。法の整備が不十分なので“放置された側が泣き寝入り”するケースも多発しています。戦うにしても煩雑な所有者確認手続きや内容証明の送付、所有者との折衝と沢山の時間と費用が発生します。放置車両の撤去を業務とする調査会社のジャスティス・サポートなどの有料サービスを利用するのも一手かもしれませんね。上記の手順1~7を実施しても所有者からの訴訟リスクはありますし、反社会的勢力(暴力団やチンピラ)等は、訴訟などと言う正攻法なことをしてこないケースも多々あります。

私たちに出来ることは、少しずつの証拠や証明を積み上げて正攻法で守るしかありません。法律の整備なされるまでは、自己防衛しか無いのですから。

放置車両が多く発生する要因のひとつである、鉄くず相場の下落。今後の相場は誰にもわかりませんが、所有者の皆さまに愛車を放置車両にするような事態になる前に、私たち廃車ドットコムを思い出してくださいね。なんとかなるケースも多いのですから。

以上

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