夜間走行のお供ヘッドライト!~意外と知らないライトのいろは~
夜の走行やトンネルや森の中など、暗いところを走行するのに欠かせないヘッドライト。近年では省電力ながらも明るく、濃霧や大雨の中でも視界をクリアにしてくれるタイプも登場しています。
しかし、なんでも装着できるというわけではなく、規定のサイズや明るさ、色などが定められています。そんなヘッドライトのいろはを見ていくことにしましょう。
ヘッドライトの“電球”に違いがある
ヘッドライトの形は、車種別に様々な恰好です
ヘッドライトは全部同じ球を使っているのでしょうか?一般的な懐中電灯でも微妙に異なるのと同じで、各メーカーや車両で定められている電球が違ってきます。結果として明るさは同じであっても、サイズが違うものは、自動車に装着できません。
イメージとしては、小学校の時に習った豆電球と同じです。電球があり、それを固定して電極とつなげやすくしてくれるソケットがあります。そのソケットには決まった大きさの電球しかはまらないようになっています。
主なサイズとしてよく使われるのがH4と呼ばれるものです。通常のロービーム、やや上向きに照らすハイビームの2種類が使えるように、フィラメントが2本入っています。ロービームとハイビームを切り替えると、光の照射角度が一気に変わるのを見たことがありませんか?
あれは、ライトが向きを変えたのではなく、光るフィラメントが変わっていたのですね。
その他、フォグランプなどに使われるタイプはフィラメントが1本だけの場合もあります。(H1など)その他、車両のソケットの形状やライトの灯数によってH7やHBといったさまざまなタイプが用意されているのです。
ライトには明るさを表す「カンデラ」という単位と、色温度を表す「ケルビン」という単位があります。車検を通すにあたり、ヘッドライトには厳しい規定がありますが、ここでは、色温度に特化してお話していきましょう。
色温度を表す「ケルビン」は、単位を「K」として表示されていることが多いです。自動車パーツを販売しているお店やライトの専門店へ足を運ぶと、色温度が必ず表記されています。たとえば、「6000K」といった具合ですが、これは車検にどのような影響があるのでしょうか?
だいたい、純正パーツの「オレンジっぽく」見えるライトの色温度がだいたい3500〜4000Kくらいであることが多いです。このくらいであれば問題ありませんが、6000Kを越えたあたりから、車検では不合格になってしまいます。
6000Kというと、やや青みがかった色になり、これ以上の色温度は、どんどんライトの色が青っぽくなってしまいます。若い人たちには人気の高い青みがかったヘッドライトですが、車検が通過できない上、雨などの悪条件になると、やや見づらいという弱点があるので要注意です。
ハロゲンH4バルブのみのヘッドライト
左から、キセノン・ハロゲン・ウインカーの複合タイプ
近年では、ディーラーの純正でも多くなってきているのが「キセノンライト(HID)」です。以前はすべて「ハロゲンライト」と呼ばれる、フィラメントを用いたライトでした。キセノンが登場した近年でも純正、あるいはカスタマイズのパーツとしてもよく使われていますが、キセノンライト)にはどのような特徴があるのでしょうか。
実は、キセノンライトにはハロゲンライトにあるフィラメントがありません。どのように光っているのかというと、ハロゲンライトでいうところのフィラメントが走っている部分が真空の状態になっていて、その両サイドには電極がついています。そこへ高電圧をかけて放電させて、周りのイオンを反応させて光らせる原理です。
ハロゲンが私たちの生活で言う白熱電球で例えると、キセノンは蛍光灯です。蛍光灯は発電する時こそ高電圧が必要になるものの、一度点いてしまえば、あとはさほど大きな電力は必要ありません。また、フィラメントがないので、電極が壊れたり送電が止まったりしない限りは光る…つまり、長持ちする傾向があると言えます。
価格こそハロゲンライトと比較するとかなり高いですが、その分明るく、長持ちするライトなのです。
間違えやすいのが、ハロゲンライトを装着している車両なのに、キセノンライトを買ってきてしまうパターンです。キセノンライトにもそれぞれサイズがあります。仮にサイズがあっていても、コネクターの形状が違います。配線加工すれば各車両に装着することはできますが、それは正しく使用することができません。
というのも、ハロゲンライトは電流を流しっぱなしで一定なのに対し、キセノンライトは一瞬、電圧を爆発させなければならないからです。そのため、ソケットにはまり、仮に電極がはまったとしても、それだけでは使えない仕様になっています。
したがって、ハロゲンライトとキセノンライトには互換性はありません。それどころか、キセノンライトの装備にハロゲンライトを装着すると、予想もしない高電圧が流れ、ライト破損の原因にもつながってしまう恐れがあるのです。
ハロゲンバルブ(左)・キセノンバルブ(右)
HIDヘッドライトには、バラストが付く
ヘッドライトは、ある程度知識のある人であれば自分で交換することもできますし、必要に応じて照射角度や色温度を意識することも可能です。しかし、ハロゲンなのかキセノンなのか、車検を通すことができるのかということになると、分からなければ専門家の知識に頼るのが一番でしょう。
暗いところや夜間の走行を助けてくれるヘッドライト。正しい知識を持って選択すると共に、球切れなどのチェックは普段から怠らないようにしましょう。
パーツやメタル資源として再利用し国内外に販売!
車解体の資格を持つ廃車.comの工場と直取引だから高く買取れる。
すでに払った31,600円の自動車税も返ってくる。
(4月に廃車/1,600cc普通自動車)