こんにちは、静岡大学自動車部です。今回は、日頃車を運転していてよく見る標識・標示についてみていきます。日頃このような意味だろうと思いながら、見る標識もあるのではないでしょうか。ここでは多種多様の標識について意味や役割を伝えていき、今後の皆様の安全運転のために役立てていただきたいと思います。
標識には、大きく分けて本標識と補助標識の2つがあります。また、本標識には規制標識・指示標識・警戒標識・案内標識の4つがあります。
・規制標識
特定の交通方法を禁止したり、特定の方法に従って通行するように指定したりするもの。赤や青で丸い。
・指示標識
特定の交通方法ができることや道路交通上決められた場所を示す。青で四角。
・警戒標識
道路上の危険や注意すべき状況を前もって運転手に知らせるもの。黄色でひし形。
・案内標識
方面・方向・距離などを示して、通行を助けるもの。青や緑でいろいろな形がある。
標示はペイントや道路びょうなどを用いて示された線や記号のことで規制標示と指示標示があります。
・規制標示
特定の交通方法を禁止または指定するもの。
・指示標示
特定の交通方法ができることや道路交通上決められた場所を示す。
まずはどこでも見る「止まれ」の標識についてです。
車はこの標識のある時は停止線の直前(なければ交差点の直前)で一時停止をしなくてはいけません。交差する道路を走行している車の進行の妨げにならないように安全を確認したうえで、発進するようにします。
また、信号が赤色の点滅をしていた場合も「とまれ」の標識があるのと同じ意味なので、一時停止しなくてはなりません。ちなみに、信号が黄色の点滅をしていた場合は他の車に注意しながら走行します。
次は横断歩道です。
横断歩道は30m前と50m前に写真奥のようなひし形のマークが書いてあり、これが進む先に横断歩道があるという意味を表しています。そのため、このマークが見えたら減速するなどして歩行者や自転車の横断に備えて準備をしておきます。
そして、横断歩道は歩行者が安全に道路を渡るために設けられたものです。そのため、車が横断歩道に近づいたときは次のようにします。
①歩行者がいないことが明らかであればそのまま進む。
②歩行者がいるかいないか定かではないときは、横断歩道の手前で停止できるように速度を落として進む。
③歩行者が横断してるときや、横断しようとしているときは横断歩道の手前で一時停止をして、歩行者に道を譲ります。
また、横断歩道の前に停止している車がいるときは、そのそばを通って前方に出る前に一時停止をして安全確認をしなくてはなりません。
車は横断歩道とその手前から30m以内の場所では、他の車を追い越したり追い抜いたりしてはいけません。これは前車のかげになるなどして、横断者を見落とすと大変危険なためです。また、ここは唯一の追い抜き禁止場所になるので、特に注意しましょう。横断歩道がない交差点や、その近くを歩行者が横断しているときもその通行を妨げることなく待たなくてはなりません。
ここで追い抜きと追い越しの違いについてです。
・追い抜き
車が進路を変えないで、進行中の前の車の前にでること
・追い越し
車が進路を変えて、進行中の前の車などの前方に出ること
横断歩道とその手前30m以内の場所では追い抜きも禁止ということから横断歩道周辺で車を抜いていくことの危険性を理解していただけたかと思います。横断歩道では歩行者が最優先なので、その意識をもって横断歩道を通行しましょう。
次は駐車禁止です。
駐車禁止はとまれの標識の下の標識です。この標識はよく見ますが駐車と停車って区別しにくいと思うので、ここでまとめておきます。
・駐車
①車が継続的に停止すること
◇ 人待ち・荷待ちによる停止
◇ 5分を超える荷物の積み下ろしのための停止
◇ 故障などによる停止
②運転手が車から離れていて、すぐに運転できない状態で停止すること
この条件が駐車になります。比較的長い時間停止することになります。
・停車
◇ 人の乗り降りのための停止
◇ 5分以内の荷物の積み下ろしのための停止
◇ 運転者がすぐに運転できる状態での短時間の停止
この条件が停車になります。停車は簡単に言えば駐車に当たらない車の停止です。駐車に比べると、短い時間での停車になります。駐車と停車にはこのような区別があるので駐停車するときには違いに気をつけ、交通ルールを守りながら行いましょう。
原動機付き自転車(以降原付)を運転する際には二段階右折をすることがあります。
・二段階右折をする条件
◇ 交通整理が行われており、二段階右折の標識があったとき
◇ 交通整理が行われており、車両通行帯が3以上ある道路の交差点
◇ 交差点の近くだけ車両通行帯が3以上になっている交差点
・二段階右折をしない条件
◇ 交通整理が行われていない交差点
◇ 交通整理が行われており、車両通行帯が2以下の道路の交差点
◇ 交通整理が行われており、車両通行帯が3以上ある道路の交差点で小回りの標識がある場合
このように小回りの標識があったら、小回り右折になります。二段階右折するところで二段階右折しなければ違反となるので原付で右折する際には周りの標識や車両通行帯に注意して走行しましょう。
例として上の標識のあるところでは直進と左折は可能ですが、右折は不可能となっています。また、条件として『7.15-8.15、15-16、軽車両を除く、土曜・日曜・休日を除く』が付け加えられています。この意味は土曜・日曜・休日を除いた7時15分~8時15分、15時~16時は右折禁止。ただし、軽車両は除くということです。また、駐車も禁止です。
これは学生の通学の時間帯のため、右折を禁止にしているというのが一番の理由だと考えられます。このような時刻が決められている標識を見かけたら、いつ通れていつ通れないのかをきちんと判断をしてから通行するようにしましょう。
上の画像が専用通行帯になります。専用通行帯は表示板に表示された車両以外はその通行帯を通行することはできません。
ただし、次のような場合は専用通行帯を通行することができます。
①右左折するため道路の右端や中央、左端による場合
②工事などでやむをえない場合
③緊急自動車に進路を譲る時
また、小型特殊自動車や原動機付き自転車、軽車両は、一番左側の通行帯が路線バス専用通行帯に指定されている場合でも、右折や道路工事などでやむをえない場合を除き、その通行帯を通行しなくてはなりません。
上の画像の標識があるところでは専用場所駐車標章に登録番号が記載されている普通自動車のみが駐車することができるので一般車は駐車することができません。この登録制度を利用できるのは、つぎのような方で、このための申請は警察署で行います。
・70歳以上の運転手
・聴覚障がいで免許に条件を付与されている運転手
・肢体不自由で免許に条件を付されている運転手
・妊娠中または出産後8週間以内の運転手
標章車専用と書いてなければ一般の車も駐車ができます。ここに一般車が駐車すればもちろん違反となり、反則金となります。
上の画像のような交差点では歩行者が交差点で斜めに横断することができます。このような斜め横断が可能な横断歩道でなければ歩行者は斜めに横断することはできません。また、このような交差点では歩車分離式の信号になっていて歩行者が渡っている間は車は発進できません。
この標識のあるところでは、矢印の方向にしか進むことはできません。逆方向に進んだ場合には違反となります。ただし、軽車両は除くとあるので自転車は矢印の反対方向に進むことができます。また、歩行者も矢印の反対方向に進むことができます。
また、この標識は道幅が狭いところに設置されている傾向があるので、逆走した場合矢印通りに進んできた車の進行を妨げ、さらには事故を誘発することにもつながり大変危険です。
上の画像があるところでは歩行者は横断できません。このような標識があるのは片側2車線はあるような大通りが多いので、無理に道路を渡ろうとせずに、近くにある横断歩道や歩道橋を利用して、安全に道路を渡ります。
車は、表示された速度を超えて運転してはいけません。ただし、この標識は表示されている速度で走行しなさいという意味ではないので、周囲の安全を確認したうえで走行をします。ただし、高速道路では最低速度が50と決められているので、50~制限速度の間で走行をするようにします。
この規制標示があるところでは車は停止してはいけません。前方の状況に応じて、この中に止まってしまいそうなときは、この手前で停止します。
これは緊急車両の出入り口に書いてあること多いです。そのため、この上で停止してしまうと緊急車両出動の妨げになり、被害が拡大する恐れが高まるため、絶対にこの上で止まらないようにしましょう。
この標識の近くには幼稚園があることを示しています。子供だけで歩いている場合は興味を引くものに夢中になって道路に飛び出してきたり、無理に道路を横断してくる可能性があるので一時停止か徐行して安全に通行できるようにしましょう。
また、通学・通園バスのそばを通るときは徐行して安全を確かめる必要があります。いつ子供が飛び出してきても止まれるように注意しながら走りましょう。また、徐行とは車がすぐに停止できるような速度で進行することで、おおむね10km/h以下の速度のことを言います。
今回は日頃よく見る標識をまとめて確認をしました。あまり標識についてじっくりと考えることは少ないと思いますがいかがでしょうか。普段何気なくやっている運転が実は正しい交通規則ではなかったと思うこともあるのではないでしょうか。
ぜひ、もう一度標識について詳しく復習をして免許取りたての頃のような新鮮ではっきりとした知識を身に着け安心・安全な運転をしていきましょう。
執筆:静岡大学自動車部