タイヤの基礎知識(3)~近年増加しているアジアンタイヤについて~
皆さんは大手の自動車用品販売店などで、やたらに安いタイヤを見たことがありませんか?日本では名の通っているメーカーとはちょっと離れた場所に客引きのように並べられていることが多いです。これは、「アジアンタイヤ」と呼ばれ、エコを叫ばれる現代では注目度が大変高くなっています。では、このアジアンタイヤにはどのような特徴があるのでしょうか。
その名の通り、アジア各国で作られているタイヤのことです。主な国や地域としては、中国や韓国、台湾、インドネシアなどが挙げられます。場合によっては、日本の大手が外国で作った輸出用のブランドを指すこともあるのですが、基本的には外国で製造されて、日本へ輸入されています。
アジアンタイヤの特徴は、何よりも「価格が安い」ということです。製造された国や販売する店舗によっても異なりますが、国産タイヤの半額程度で同じサイズが販売されています。もちろん、車検は通りますしサイズは従来通りになっているため、今までのホイールにも適用が可能です。
MADE IN CHINA 中国製のタイヤー
MADE IN KOREA 韓国製、安いんです
前述のエコになるというのは、第一に価格のことを指していて、国産の半額、品物によってはそれ以下のタイヤもあります。日本人というのは不思議なもので、国産の製品に安心を覚え、外国産は安全が確認できれば購入するという傾向にあるのです。
アジアというと、あまり製品自体にいい印象を持っていない自動車ユーザーも多く見られますが、実際はどうなのでしょうか。
自動車販売店に行って聞いてみると、その答えはさまざまです。やはり信頼性の高い製品は国産だと言う人もいれば、ダイハツやミツビシの国産新車にも装着されるアジアンタイヤもあるし、モータースポーツでも使用されているから大丈夫と言う人もいます。これには、信頼性という意味では国産に慣れている日本人、普段からの積み重ね、あるいは外国メーカーの海外戦略といった問題もあるかもしれませんが…。
では、性能面ではどうでしょうか。アジアンタイヤはグリップ性能が高くて硬めの作りになっており、スポーツタイヤとして人気が高いです。その一方で、コンフォートタイヤ(乗り心地や静粛性を重視)にも力を入れてきていますが、国内の利用者の声として、街乗りには十分という声が多くなっています。
結論として、実際に使うまでは不安が残るかもしれませんが、使ってみると、その良さが分かるというのが現状のようです。
アジアンタイヤも色んなサイズがある
予算に合わせたタイヤー選び
アジアンタイヤを使ってみたらやめられなくなるという人たちが多くなると、国産タイヤは売れなくなっていくのでは?と心配する人もいます。実際に性能面がアップし、値段も安くて店頭に並べられていたら、注目する人も多くなるでしょう。しかし、そこは国産の強み、長きに渡る信頼と性能の高さがウリになっています。
性能面でも、アジアンタイヤは確かに成長を遂げてきました。モータースポーツやドリフト走行など、耐性も求められる分野を中心に、人気を獲得してきています。しかし、まだその性能や適合性はバラツキが多く、日本車に浸透するにはもう少し時間がかかるでしょう。
しかし、現代の日本では、タイヤに求めるものは人によって大きく異なり、それぞれに需要があるのです。値段を重視する人もいれば、信頼性や性能を求める人もいます。日本の大手メーカーでは、それぞれが向かう先は同じであっても独自の強みを持った製品を販売していて、それがアジアンタイヤとの棲み分けにつながっているのです。
第二のエコになる、装着後の燃費向上が期待できるエコタイヤについてはどうでしょうか。実際には製造技術も向上し、転がり抵抗を減らす工夫はされてきているものの、やはり国産には追いついていないのが現状です。やはり国産タイヤのエコ技術はすごいということが分かります。
しかし、これはアジアンタイヤを悪く言っているわけではなく、日本におけるその「魅力」が薄れてしまう恐れがあるのです。エコタイヤを開発し、日本でも通用するものを作るには時間と費用がかかります。つまり、アジアンタイヤの一番の魅力である「安さ」を維持できなる可能性が高いのです。
近年ではエコタイヤと呼ばれるアイテムも販売されていますが、まだこれからの発展が期待できる分野と言えるでしょう。
ここまで、アジアンタイヤの魅力と気をつけなければならない点について触れてきましたが、これからはどのようにタイヤを選べばよいのでしょうか。
まずは、自分のこだわりをもって決めるという点では、従来通りの考え方で良いのではないでしょうか。価格や性能なのか、メーカーバリューなのか、それとも目的に応じて…。分からないという人は、自動車販売店やタイヤ屋さんのおすすめで決めるという人もいますが、それもまたひとつの選択肢でしょう。
そして、特にこだわりがない!という人は、アジアンタイヤを一度検討の対象に入れてみるのも選択の幅が広がります。百聞は一見にしかず、実際に装着して走ってみると、タイヤの心地よさや性能を直に感じることができるでしょう。
アジアンタイヤは、まだまだこれから国内で伸びてくる可能性を秘めています。その動向を見守りつつ、自分の好みに合ったタイヤを見つけ出せれば最高ですね!
パーツやメタル資源として再利用し国内外に販売!
車解体の資格を持つ廃車.comの工場と直取引だから高く買取れる。
すでに払った31,600円の自動車税も返ってくる。
(4月に廃車/1,600cc普通自動車)