排気ガス問題と環境汚染について(1)
最近になって発覚した、相次ぐ外国産車の排気ガスの問題…何がいけないの?と思う方もいるかもしれません。はたまた、排気ガスの何が…?という人もいるでしょう。排気ガスは、地球温暖化をはじめ、さまざまな環境破壊、健康被害を生み出すとされています。ここでは、排気ガスについて詳しく見ていくことにしましょう。
深刻なデーター改ざんをしていた。
排気ガスとは、英語では「exhaust gas」と呼ばれています。ガソリンや軽油といった自動車の燃料が燃える際に出る物質の総称のことで、自動車の場合はマフラーと呼ばれる部分からモクモクと吐き出す煙のことです。
年々、国土交通省はこの排気ガスの規制を強化しています。新しく販売されている新車に関してはガソリン、軽油に関わらず、どんどん吐き出す煙をきれいなものにしていこうという取り組みが行われているのです。これに伴い、排気ガスを出さない電気自動車の開発も進み、各社がしのぎを削っています。
排気ガスにもさまざまな成分が含まれています。多くはエンジンルームで燃焼を行うため、二酸化炭素や水が多いです。しかし、その過程では不完全燃焼などが理由でさまざまな物質を出すこともあります。以下にその物質をいくつか挙げてみることにしましょう。
排気ガスの出口は、真っ黒
自動車後部、マフラーテールパイプ
(1)PM(粒子状物質)
テレビのニュースでよくPM2.5という言葉を耳にします。これは、ミクロの単位(マイクロメートル)の物質のことで、その中でも特に粒子の小さい2.5マイクロメートル(1ミリの400分の1)以下のものを指します。とても小さな粒子なので、空気清浄機などのフィルターでもガードできない可能性もあるため、呼吸器系が弱い方は注意が必要です。
なお、PMとして認識されるのは、10マイクロメートル(1ミリの100分の1)以下のものとされています。
(2)NOx(窒素化合物)
窒素化合物は、自動車の排気ガスの基準でも厳しくチェックの入る項目のひとつです。大気汚染や酸性雨の原因となる物質で、エンジンが高温で圧力も高くなるとたくさん出てきてしまいます。NOxとなっているのは、さまざまな窒素化合物があるためで、別名ノックスとも呼ばれています。
(3)HC(炭化水素)
炭化水素は、光化学オキシダントを作り出すもとになる物質です。この名前だといまいちピンときませんが、光化学スモッグというと分かりやすいでしょうか。光化学スモッグの原因のひとつである光化学オキシダントは、太陽の紫外線と合わさることで発生します。
光化学スモッグが発生すると、のどの粘膜をやられてしまったり、あまり続きすぎると農作物への影響も出てしまったりするとされています。
もちろん、原因は自動車だけではありませんが、さまざまな要素が絡み合って私たちの健康をおびやかし、環境を悪くしていっているのは事実なのです。このほか、一酸化炭素や二酸化炭素、硫黄化合物などが発生します。
これだけさまざまな問題を引き起こす排気ガス…ナシにするのであれば、みんなで自動車や公共機関の利用をやめて、原始的な生活をするしかありません。しかし、それは不可能に近い話です。日本ではどのような対策を練っているのでしょうか?
現在、日本では大きく分けて3つの規制を行っています。
(1)単体規制
新車にのみ適用される規制で、厳しい試験に合格した車両のみが新規登録、販売できるようにするというものです。ニュースで問題になった外国産車は、この規制にかかる問題が大きくなっています。これによって、世の中に排気ガスをまき散らす自動車を送り出さないという規制をかけているのです。
(2)車種規制
新車はもちろんのこと、中古車にも規制のかかるのがこの車種規制です。排気ガスの基準を満たさない車両の継続登録や移転登録を認めないという手法がとられます。これによって車検を通せなくなり、継続して乗れなくなってしまうというものです。
新車や規制が影響しない中古車への買い替えが進むことで、少しずつではありますが、排気ガスの規制を強化することが可能です。
(3)運行規制
燃料の種類や排ガスの性能などから細かい車両の運行を制限し、条件を満たさない車両に関しては走行を許可しないというものです。これは、関東の1都3県や関西などで行われているもので、特に、ディーゼル車に対する規制が厳しくなっています。
また、自然環境や観光地を守るという意味で行われているマイカー規制もこの中に含まれています。マイカー規制とは、一部の区間でバスなどの公共機関の車両以外は通行止めにするというものです。車両の排ガス能力が良、不良に関係なく制限されます。
これらの制限をかけ、できるだけ日本から排出される排気ガスの制限を行おうと努力されているのです。
決してメーカーのせいではありませんが、排気ガスは自動車から出てきます。「だったら排気ガスゼロの車を作れば…」そう言われてしまうのですが、すでに世の中にその車は登場しているのをご存知ですか?それは、電気自動車です。
電気自動車にはモーターしか積んでおらず、ガソリンもエンジンも積んでいません。しかし、まだ充電や細かな能力の差、値段の高騰などがあり、なかなかメジャー化しませんが…。全員が電気自動車に乗る時代がこの先来れば、排気ガスはほとんどゼロに抑えられるようになるでしょう。
しかし、中にはガソリン車で元気よく走りたい!という人もいます。メーカー側も完全にゼロというのは難しいですが、なるべく排気ガスを減らそうとする研究や開発は日々行われているのです。馬力やスピードはそのままに、排気ガスだけクリーンにする…一見簡単そうですが、そこにはメーカー側の血のにじむような努力が欠かせないのです。
リサイクルされ、中古部品になったマフラー
低排出ガス基準適合のステッカー(左側)
環境汚染が取りざたされているからこそ、排気ガスの問題は大きく取り上げられています。先進国を中心に行われているこの規制は、これからさらに厳しくなっていくでしょう。これも私たちの美しい環境を守るためであり、未来の子供たちへ美しい地球を残す大人の役目でもあるのです。
パーツやメタル資源として再利用し国内外に販売!
車解体の資格を持つ廃車.comの工場と直取引だから高く買取れる。
すでに払った31,600円の自動車税も返ってくる。
(4月に廃車/1,600cc普通自動車)